小児科 すこやかアレルギークリニック

病院からのお知らせ

病院からのお知らせ

9月の勉強会のお知らせ
2008/09/09
9月の院内勉強会のお知らせです。

今月は27日の土曜の14時からを予定しています。「こどもの長引く咳」の話をしたいと思っています。

かかりつけ医から咳が長引いているのに“風邪”と診断されて風邪薬を飲み続けても、なかなか治まらずに困った経験ってありませんか?。当院には、咳の止まらない患者さんが多く初診されます。子供だけでなく、大人も「咳」が出ていると“風邪”と診断されているケースが目につきます。

赤ちゃんでひどい咳をしていたり、ゼーゼーしているのに“風邪”と診断されているケースもあります。これはRSウィルス感染症の可能性があります。インフルエンザの時の同じように鼻水で簡単に調べることができます。この感染症にかかると、それ以降何年にも渡りゼーゼーを繰り返すことが多いのです。小児科医としては、見逃してはならないと思っています。

“マイコプラズマ”と診断されているのに、内服と点滴で通院しても、咳の止まらない患者さんも受診されます。マイコプラズマに効く抗生剤があるので、マイコプラズマという診断が正しいのなら、それで効くはずです。また、短期間で何度もマイコプラズマにかかるお子さんもいるようですが、そんなに繰り返さない病気だと思います。他の病態を見落としている可能性があります。

長引く咳の代表格である、ぜんそくを見逃されているケースもありますし、RSウィルス感染やマイコプラズマが合併していることもあります。そうなると非常にしつこい、長引く咳の原因になったりします。小児科医は「プロ」なんだから、そこを明らかにする努力が必要です。原因が分からず咳が長引くのと、理由が分かっていて咳がゆっくり減るのでは、親御さんの気持ちにも差が出てくると思います。

いずれにしても、「咳」=「風邪」とは限りません。「熱」には過敏に反応される親御さんが多く、園から医院に直行されることはよくあることですが、「咳」は様子を見られている場合が多いように感じます。しかし、咳で吐いたり、眠れないような強い咳は、お子さんの生活を相当邪魔してしまうのです。「咳」が長引くようなら“風邪”ではないことが多いのです。

当院では、理論的に病状を説明しています。分かりやすくなければ、説明とはいえないと思っています。時間をかけずに、一方的に話しているのでは、素人の患者さんに理解できるはずがありません。理詰めで、ゆっくりと説明されると、記憶に残るものです。

ぜんそくなどの慢性疾患は、医者に全部を任せておいていい訳ではありません。親御さんが第二の主治医なのです。病気について、キチンと理解し、積極的に症状を安定させる努力が必要なのです。当院かかりつけのぜんそくの患者さんは、悪化時の対処法を指導してありますので、たいていの患者さんはその通りにして下さり、必要最低限の悪化に踏みとどまる努力をしています。

当院はアレルギーと呼吸器にこだわって勉強していますので、「咳」は最短距離で止めるよう心掛けています。適切に治療することで、一日でも早くお子さんを元通りの生活に戻れるようにしなければなりません。その結果、治療してもなかなか良くならない患者さんが当院に集まって下さることは、こだわりを評価して頂いているのだと思っています。

このこだわりをお裾分けといいますか、咳の長引くお子さんに役立つような内容で勉強会を行いたいと思っています。ご期待ください。

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