先週末は、市の休日夜間診療所のお仕事がありました。 こういう時は「小児科でよかったー」と思います。なぜなら、患者さんのほとんどが小児だからです。この日も来られた患者さんの最高齢が19歳で、ほとんどがお子さんでした。小児科医は、こどもを診なれているので、大人の診察の方が緊張するのです(汗)。 控室にいて、患者さんが来ると呼ばれるのですが、受診された患者さんがこどもだと分かるとホッとしつつも、診療をしていて“違和感”を覚えていました。 よく考えてみるとその“違和感”とは、ほぼ全員が発熱や嘔吐を症状とするお子さんで、アレルギーの子がほとんどいなかったからです。 当院が開院した当初から、アレルギーの患者さんがたくさん受診して下さっています。最近でも、新患の患者さんは、アレルギーの症状が安定せずに困っている方がほとんどです。「アレルギーの専門医だと聞いてやってきました」と市内外から受診されるのです。 風邪も胃腸炎も原因のほとんどがウィルスによるものです。水ぼうそうやインフルエンザ以外はウィルスに効く薬がないので、「対症療法」といって症状を軽くしようとする治療が中心となります。つまり積極的な治療ではないのです。一方、アレルギーは診断を的確に下し、適切に治療すると短期に症状は改善させることができます。積極的に攻めの治療が必要なのです。まさに腕の見せ所と言ってもいいでしょう。 先日も、遠方からアトピーが良くならないと赤ちゃんが受診されました。地元の皮膚科にかかっていたそうですが、改善は思わしくなかったそうです。私も重症なアトピーの患者さんはたくさん診ています。診察した上で、治療をどう変えれば良くなるか推測できましたので、そのように治療方針を決めて、1週間後再診して頂きました。予想通り、親御さんがビックリするくらい改善していました。今後も通院して頂かないといけませんが、お母さんも40キロの道のりがあまり苦にならなくなるのではないかと思っています。 アレルギーを多く診ていると、知らないうちに“小児科らしい診療”から離れてしまうのですね。今回、実感しました(汗)。でも、多くの困っている患者さんが、自分の技術や知識を頼って下さるのであれば、得意分野を存分に活かせる訳で、より自信を持って診療をできるのだと思います。近隣にはアレルギーのこだわった医療機関はあまりないので、これからも個性を伸ばしていきたいと思っています。 そうそう、今週末の27日の14時から「こどもの長引く咳」というタイトルで勉強会を行いたいと思います。普段からより丁寧にをモットーに時間をかけて説明しているつもりですが、説明が足りないこともあるかもしれません。より学びたいという患者さんのために、1ヶ月に1回メインテーマを決めて、アレルギーの勉強会を行っているのです。現在はアレルギーの患者さんが増え続けているので、どの小児科もアレルギーが多いと思います。アレルギーは経過が長いため、親御さんの病気に関する知識は多いほど、症状をより改善できると思っています。他の小児科の先生も勉強会をやった方がいいのではないでしょうか?。 10月の勉強会は、「すこやか健康フェア」の中で、11時から「食物アレルギー、誤食時の対応」という話をさせて頂こうと思っています。こだわって修行してきた分、いろいろなケースを経験してきましたので、具体的な話も含めて、県内ではあまり聞けないような話をさせて頂こうと思っています。個別にも受け付けますので、ドシドシ質問して下さい。 この秋分の日も、週末の勉強会やすこやか健康フェアの準備で、あっという間に終わってしまいそうです(涙)。忙しいうちが華といいますか、地元のアレルギーの患者さんのために、一歩一歩進んでいかなければならないと思っています。 |
<<前の記事 | 一覧 | 次の記事>> |