昨日、新潟県の小児科医のメーリングリストにある先生から投稿がありました。 某市内の小学校でインフルエンザが出て、その子のクラスが学級閉鎖になっているとのこと。インフルエンザの予防接種も始まっていないのに、そんな状況とはって感じです。 例年のパターンだと、このまま流行期に入るということではないでしょうが。今シーズンは、どうなるのでしょう?。 先日、東北の某県から患者さんが上越の隣町に転居されてきました。エピペンも持っているということでした。転勤が多く、その前は西日本の某県にいたそうです。 その時に生まれたお子さんでした。昨日も触れましたが、食物アレルギーの相談に来られた患者さんは、「経皮感作」で発症することが多いため、アトピー性皮膚炎を持っていることが多いようです。 この患者さんは、卵、乳、小麦も除去しており、重症な患者さんはたいてい重症なアトピー性皮膚炎を持っていることが多い印象があります。話を聞くと、生まれて間もなく、顔に湿疹がひどかったと言います。 聞いてみると、どう考えてもアトピー性皮膚炎のようです。ただし、当時かかっていたのは、大学教授だったようですが、そうは診断されていませんでした。症状もなかなか改善しなかったようです。例の過小診断・過小治療だったのでしょう。 私なら、「経皮感作」が明らかになってきた今、食物アレルギーで困り果てている患者さんを大勢診ているため、「この湿疹を早く封じ込めなければ、食物アレルギーが悪くなってしまう!!」と思い、「一刻も早く経皮感作を止めたい」と考えるんですが...。 その後、東北の某県に引っ越し、某市の総合病院に通い始めます。大学病院から専門医が来ており、食物負荷試験も受けていたようです。 この患者さんの場合、卵と乳がクラス3くらいだったと思いますが、小麦がクラス6でした。かかっていた医師の話では、数字が低いものから負荷試験をやっているのだと。間違いではないと思いますが、そのせいで小麦への負荷試験は手つかずの状況でした。 小麦は、クラス6でも症状の出る確率が72%というデータがあります。卵や乳よりはよっぽど低いのです。しかも、小麦はパンや麺、クッキーなどのお菓子にもいろいろ含まれます。卵や乳よりも除去し続けるのは難しいとも言えると思います。 更に、小麦は少し食べさせていると、徐々に食べされるようになります。私の印象では卵や乳よりもです。負荷の進め方としては、ちょっとどうかなと思っています。 地方大学の教授や、総合病院でしかも大学から派遣されている医師に診てもらっていた訳ですが、ある意味、私のような田舎の開業医よりは新しく、正しい医療を受けられていなければいけなかったはずです。 新潟県内にいても、アレルギーを真正面から診療している医師は少なく、閉塞感を覚えていたのですが、全国的なものなんですね。私は私で、田舎の開業医だからレベルの低い医療をやって許されるものではないと考えており、他の医者がどうしようと知ったことではないと思うべきなのでしょうが、全国的な医療の停滞感、閉塞感を感じてしまっています。 ほら、今日も全国各地でアトピー性皮膚炎が見逃され、「経皮感作」が進行してしまっています。 |
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