小児科 すこやかアレルギークリニック

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プロバビリティーカーブ
2016/10/22
今日も大変そうです。

診療が終わったら、1時間くらいかかると思いますが、講演会場へ向かいます。

通常は、土曜の午後はインフルエンザワクチンの時間に当てています。私が今日の講演の日程をスタッフに言うのが遅くなり、今日の午後に予約を入れてくださっていた患者さんもいました。急遽午前中に回ってくださるようお願いしています。

そんなこともあり、結構忙しいのではと予想しています。朝になって、眠い目をこすりながらパソコンの前に座っています。

今日も、朝6時過ぎまで頑張りました。今日はスキャナーを使い、今日の講演に使えそうな図表をスキャンする作業が多かったです。お陰で、ようやく講演用のスライドが完成しました。

いや、完成させたと言う方が合っているようです(汗)。この2日で、一気に仕上げた格好です。そのせいで、参加者の資料も今日になって印刷にまわすことになり、申し訳なく思っています。

既に作成し、これまで使ったことのあるスライドを流用している部分もありますが、新たに作ったものも結構あります。

例えば、プロバビリティーカーブの話をする予定です。基本的に卵白やミルクのクラスは数値が上がるほど、食べて症状の出る確率は上がります。クラスは2、3、4というようになっていますが、実際は0.7〜3.49がクラウス2、3.5〜17.49がクラス3というように連続的な数値になっています。抗体の濃度が上がるに従い、右肩上がりにアレルギー症状の出る確率が上がっていく様子をカーブに描いたものです。

私は、このプロバビリティーカーブをあまり使っていませんでした。何故なら、卵なら卵クッキー、ミルクならミルククッキーを用いて負荷試験を行い、それが食べられれば次の段階へ負荷試験を進めており、クラス5だろうが6だろうが「食べさせる」ことを目標に負荷試験を組み立ててきたからです。

よく数値をみて「負荷試験どころじゃない」という医者がいますが、いつもカチンときていました(笑)。

食物アレルギー診療ガイドライン2016に載っているプロバビリティーカーブを改めてみてみると、結構面白いなと思います。

小麦は、1歳以上と1歳未満ではカーブが乖離しています。ただ、ω-5グリアジンというコンポーネントと利用すると、食べられるかどうかがかなり予想できそうです。確かに学会などで、ω-5グリアジンがクラス3以上だと小麦アレルギーの可能性が高いと言われていましたが、カーブと照らし合わせると、そのように見えます。

個人的に、コンポーネントはArah2がお薦めでしたが、ピーナッツのプロバビリティーカーブをみると、それ程でもないようです。つまり、数値が結構高くても、食べられるケースが少なからずあるのです。

とにかく食べることを優先に負荷試験を患者さんに薦めてきたつもりですが、まだ甘いところがあったかもしれないと気付かされました。今日の午後はそういう反省も踏まえて、私の臨床について語らせていただきます。

急遽スライドを作り上げた訳ですが、資料作りの中で結構勉強になった部分もあります。今回の講演が終わったら、その辺も見つめ直そうかなと思っています。

まだまぶたが思いですが、今日の午前中の外来を乗り切り、午後の講演も成功させようと思っています。

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