小児科 すこやかアレルギークリニック

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大失態
2016/10/24
土曜日は、結構大変でした。

毎年10月中旬以降は、土曜の午後を中心にインフルエンザの予防接種を行っています。先週土曜は、講演が入っており、私がうっかりスタッフに伝えるのを忘れていました。

結局、患者さんは午前中の回っていただいたのですが、普段混雑する土曜日の診療の最中に、インフルエンザの予防接種もやることになっていました。

それは、私の責任においてやるべきことだったのですが、ただ、講演会場まで車で1時間半くらいかかると踏んでいました。そのような状況になるとは思っておらず、講演は14時半から予定を入れていました。つまり、13時には出掛けないといけなくなります。

普段、時間をかけるべき患者さんには時間をかけているので、制限時間の決まっている診療は慣れていないし、好きではありません。

今度触れようと思いましたが、熱が6日下がらない10代のお子さんが初診されました。医療機関を3カ所まわっても、まったく良くなりませんでした。会社の同僚に聞いて、当院を受診されたと聞きました。

こういうケースって燃えます。「オレが何とかしてやるっ」って思うのですが、周囲をみても、「どうせ放っておけば治るでしょ」という風潮が医者の間にあるのは感じています。キチンと診断して、適切な治療をして、速やかに良くしてあげたいと思う医者って、案外少ないようです。

こういう患者さんには時間をかけざるを得ず、診療が終わる頃には13時を回ってしまいました。時間的にヤバいけれど、仕方ありません。そこから車を飛ばし気味に出掛けることになります。

講演は14時半からのところ、着いたのは14時20分過ぎ...。ギリギリセーフです。そこから講演が始まりましたが、あれもこれも話したいと思っており、スライドは130枚くらい用意していました。

今回、栄養士さんが対象でしたが、何か自分のこだわって勉強してきた知識が役立てばと思い、スライドを欲張ってしまったのです。

この講演のために準備はそれなりにやってきたこともあり、話すのにちょっと時間をかけ過ぎました。講演時間は1時間半もいただいていたので、16時終了のはずでした。16時の時点で、まだまだスライドが残っていました(汗)。

後半に私のこだわりのスライドを用意していたので、時間配分のミスです。担当者から延長してもいいと言われたこともあり、話し続けましたが、30分延長してしまいました。これは大失態です。参加の皆様にはご迷惑をおかけしました。

先回も書きましたが、当院がどのように負荷試験をしているかという話を盛り込みました。アレルギー検査の数値が高かろうが、過去にアナフィラキシーを起こしていようが、卵や乳を少し含む加工品から食べさせるようにしてきました。それを確認して、徐々に多く含む食品を負荷し、最終的には卵焼き1個、牛乳200mlを用いて負荷試験をしています。

ようやく今年出たガイドラインに摂取量を3段階に分け、重症、中等症、軽症の患者さんに向けて多く摂らせないように設定がされました。私の方がずっと以前からやってきたことです。臨床一筋にやってきたつもりですが、ようやくガイドラインが追いついてきたと言えなくもありません。

この辺を話していた頃に、終了時間を迎えてしまったのです(汗)。では、食物アレルギーのメカニズムが解明されてきた今、今後どのように診療していったらいいかについて話を進めていきます。

経皮感作を抑え、アトピー性皮膚炎の湿疹を速やかに改善させていくことが重要であると思っていますし、と同時にいかに早期から食べさせていくかというのもポイントになってきています。

現在の新潟のレベルでは、アトピー性皮膚炎の診断すらできない小児科医、皮膚科医が多く、弱いステロイド軟膏が出され、皮膚症状を十分良くする治療をしている医師は極めて少ないのが現状です。総じて、小児科医の方が治療が下手です。

食物アレルギーは、除去よりも食べさせていく方がいいのですが、その小児科医のほとんどが負荷試験すらやっていないので、なるべく食べさせるということも、非常に困難であることが分かります。せめて食物アレルギーの相談を受けることの多い栄養士さん達には、この事実も知っておいて欲しいと思っていました。

気が付いたら、30分もオーバーしていました(大汗)。用意していたスライドが多過ぎたこともあり、これでもスライドを飛ばして話した結果です。「こんな講師いないよなぁ」と自己嫌悪に陥りながら終了しました。

事前にいただいた質問に、家で卵を少しずつ食べさせるよう言われ、食べさせているというものがありました。私はこれには明確に反対の立場です。

当院では、負荷試験をやった上で、それで分かった食べられそうな量を自宅では超えないように指導しています。負荷試験もせず、そういう量を設定もせずに、自宅で食べさせるのは、患者さんに危険が及ぶと話させていただきました。

ちゃんと分かった専門医は、こんな無責任というか、危険な食べさせ方はしないはずです。無責任な指導もたまに目にしますので、これも真実を伝える良い機会をいただきました。

ただ、それにしてもこんなに時間オーバーしてしまい、反省しかありません。申し訳なく思っています。

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