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文明の利器
2018/03/01
1か月くらい前だったでしょうか?。医療系の業者の方と面会しました。

新製品のPRだったのですが、水ぼうそうの迅速キットでした。

迅速キットって、耳慣れないかもしれませんが、多くの人がお世話になっているはずです。インフルエンザのB型が猛威を振るっていましたが、今度はA型が流行し始めたようです。

そのインフルエンザ。鼻の奥に綿棒を入れられるのは辛いですが、鼻水を検体とすることで、迅速キットを用いると、インフルエンザかどうかがものの10分程で分かってしまうスグレモノです。

小児科医が特にお世話になっているでしょうね。インフルエンザ、RSウィルス、ヒトメタニューモウィルス、アデノウィルス、ロタウィルス、マイコプラズマ等の迅速キットを駆使し、感染症の確定に努めています。

PRされた新製品とは、水ぼうそうの迅速キットでした。確かにこれまでなかったなぁ。聞けば、水ぼうそうの水ぶくれ内の液体を検体として、調べるというものでした。

ただ、水ぼうそうは発疹が出始めた頃で、まだ水ぶくれができていない状況だと診断は迷いますが、しっかりと水ぶくれができていれば診断は迷わないから、利用価値はあまりないのではないかと考えていました。多分、同じように考える小児科医も多いのだろうと思っていました。

先日、1歳の赤ちゃんが熱が出て、水ぶくれができてきたと当院を受診されました。

周囲に水痘はいないし、確かに水ぶくれができていましたが、わりと局所に集中していました。これまでの経験上、水ぼうそうは水疱が全身にムラなく広がる印象を持っていたので、水ぼうそうかどうか判断に迷いました。

スタッフが「迅速キットがありますよ」と言うものですから、「そうだ、こういう時に使えばいいんだ」と思った次第です(汗)。試供品がおいてあって、よかった!。

すると、あっさり水ぼうそうだったことが分かりました。どこからもらったのかは分かりませんが、水痘と診断を確定することができました。

インフルエンザには、タミフル、イナビルといった特効薬がありますが、水ぼうそうにも特効薬がありますので、処方することができました。

思わず文明の利器に救われました。「水ぶくれがあれば、水痘の診断は迷わない」と言ってしまった自分が少し恥ずかしいです。

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