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アレルギーマーチ
2018/03/09
アレルギーマーチとは、アレルギー体質のある小児が次々とアレルギー疾患を発症してくる様子を表しています。

日本の小児科医である馬場実先生が見出された概念ですから、日本の誇る研究のひとつなのだろうと考えています。

発表は何十年も前ですが、最近注目されているのが、「経皮感作」が明らかになってきたからです。

それまでは、0歳でアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを発症し、1歳頃ぜんそくも合併するようになり、大きくなってアレルギー性鼻炎を発症することが多いという発症の順番の傾向が言われていました。

今では、アトピー性皮膚炎を発症し、皮膚から食べ物が入り、食物アレルギーになることが明らかになり、ダニが入ってぜんそく、鼻炎を発症する可能性が指摘されています。要は、アレルギーマーチのメカニズムが解明されつつあるということでしょう。

先日、ある医学雑誌を手に入れました。タイトルに「ストップ・ザ・マーチ!」と書かれています。非常に興味深いタイトルです。

実は、皮膚科医を対象にした本なのですが、執筆しているのはアレルギーマーチを真剣に止めたいと日頃取り組んでおられる皮膚科の先生が中心です。その中に、何と小児科医もいるではありませんか!。

成育医療研究センターの先生です。皮膚科医向けの雑誌なので、皮膚科医が多いのは当然として、そこに食い込む成育の先生はすごいと思います。

食物アレルギーに力を入れている小児科医で、日本の第一人者は少なくありませんが、成育の先生以外は出てきませんし、学会で発表されることもほとんどありません。「アレルギーマーチ」は日本の小児科医が発見した、誇るべき概念なのに、成育医療研究センター以外は皮膚科の先生方にも立ち後れているということでしょう。

こんな田舎の開業医ですら発症予防に取り組み、予防できそうな感覚は持っています。しかし、真剣に取り組んでいる小児科医は、現時点ではほとんどいないようです。

自分も含めますが、「おいおい、しっかりしろよ小児科医!」って言いたいと思います。

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