小児科 すこやかアレルギークリニック

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99.9
2018/03/19
昨日、松本潤さん主演のドラマが最終回を迎えました。

ドラマのタイトルは99.9なのですが、その由来は犯人が一旦逮捕されてしまうと、99.9%が有罪となってしまうということだそうです。仮に誤認逮捕されてしまっても、有罪とされてしまう可能性が高いのだそうです。

わずか0.1%しか逆転無罪にならない。多くが本当の犯人なのでしょうが、中には気の毒なことに、えん罪の方もいるんだろうと思います。

この前の土曜日、「気道過敏性試験」を行いました。ぜんそくで長らく診ていた患者さんが、この春無事に大学受験を乗り越え、親元を離れます。だいぶ症状は安定していましたが、受験勉強の妨げにならないように、この1年は敢えて治療を減らさずに経過をみていました。

「気道過敏性試験」とは、ぜんそく治療を終了していいかは判断する検査です。ぜんそく発作を誘発しやすい薬を生理的食塩水と混ぜ、それを倍々希釈で10種類の濃度に分けて準備します。薄い方からそれを2分間吸入し、呼吸機能検査を行います。それを繰り返します。

呼吸機能検査は、途中で発作を起こせば、強く吹けなくなるために数値が悪化します。10段階の吸入をして、呼吸機能の低下がなければ、かなりぜんそく発作を起こしにくくなっていると判断できます。

ピークフローの推移や呼気中一酸化窒素なども、ぜんそく治療を終了する目安になると思われますが、私はこの気道過敏性試験が最も確からしい目安となる検査だと認識しています。

この検査は、土曜の診療が終わった後に患者さんに来てもらい、検査をすることが多いのですが、先週末もこの春高校を卒業する患者さんに実施してみました。

結果はめでたく良好なもので、ぜんそく治療を終了していけると判断しました。その旨を患者さんに説明して、土曜の診療が終了となりました。

当院は土曜は市外から受診される患者さんも多く、他の小児科よりも忙しいと思われます。その上で、1時間程の手間のかかる検査を実施するのは少々疲れます。それでも、信頼関係があり、真面目に通院してくれた患者さんに報いるためには、これくらいのことはやらないといけないと考えています。

この「気道過敏性試験」、福岡の専門病院で学んで、それ以来必要と思われる患者さんに実施しています。呼吸機能検査を繰り返し実施できる年齢ですから、残念ながら、低年齢の子にはできません。この検査は、ぜんそくがあるかどうかを判断する時にも行うことがありますが、当院では、ぜんそくの治療を終了できるかの判定に実施しているこだわりの検査です。

どうでしょう。アレルギー専門病院でも気道過敏性試験は実施されているのでしょうか?。専門病院でさえもあまりやっていないように思いますし、手間がかかるのを嫌い、利益を気にすることの多い開業医はほとんどやっていないと思います。

当院における「99.9」は気道過敏性試験でしょうか?。食物負荷試験も、もちろんこだわっており、件数も全国屈指だとは思いますが、99.9ではないでしょう(汗)。開業医というしばりを設ければ、99.9か?。

いま力を入れているアトピー性皮膚炎を早期に見つけ、食物アレルギーを予防する取り組みは、有名専門施設でも遅れているようで、かなりこだわっているので、これは99.9になるでしょう。

ちょうどドラマが終わったので、当院の99.9を探してみました(笑)。別に本当に99.9だろうが、なかろうが、大した自慢になることでもなく、自己満足に過ぎないのでしょうね。やはり、患者さんのためにどれだけこだわり、やり続けるかが大事なのだろうと思っています。

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