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私の考えるぜんそくについて
2018/04/12

アレルギーについて専門的に診療していますが、奥が深く、我々医師が対応しきれていないと感じています。

今日は、私の考える「ぜんそく」についてお話ししたいと思います。

いつも言っているように、ぜんそくを“風邪”や“気管支炎”と診断する医師はあまりにも多いのが現状です。何故このようなことが起こるのか?。

図の左側のピラミッドをご覧ください。ぜんそくは、軽症、中等症、重症と3つに分類されています。ぜんそく発作を起こしやすく、場合によっては、入退院を繰り返す重症なお子さんは、非常に少なくなっていると思います。

その下に中くらいのぜんそく患者さんがいて、その下にほとんどを占めるのでしょうが、軽症が位置しているのだろうと思います。これに関しては、多くの方が異論はないと思います。

実は、健康と微妙な「ぜんそく」は区別しにくいけれど、存在するのだろうと考えています。学会は黄色の枠の部分、つまり、ある程度重い状態をピックアップして、ぜんそくと定義しているのだろうと思います。確かに重めの患者さんを拾い上げて、治療対象にすることは懸命な判断だと思います。

しかし、拾い上げられていない“ぜんそく”患者さんが存在するのだろうと考えています。図で言うと、赤い枠の部分です。

基本は、“軽いぜんそく”であり、風邪ではないので、風邪薬は効かないと思います。ですので、ぜんそくと同じ治療が必要になると思うのですが、これが“風邪”、“気管支炎”と診断されてしまっています。要は風邪薬しか処方されないので、症状が改善しないのだろうと思っています。

学会は、ゼーゼー、ヒューヒューを繰り返す患者さんをぜんそくと定義しています。ある意味、軽いぜんそく患者さんが切り捨てられているように感じています。

ぜんそくは、発作を繰り返すことで、より悪化し、ぜんそく発作を起こしやすくなったりします。私としては、軽いうちから対応すべきだと考えています。つまり、赤い枠の部分から対応したいのです。

しかし、現実的にはぜんそくと診断されてから、適切な治療が開始されることが多いようです。場合によっては、後手に回ってしまいます。

最近は、アトピー性皮膚炎の早期診断を心掛けていると書いています。言うは易し、行うは難しではありますが、馬場実先生が提唱されたアレルギーマーチに従えば、軽症のぜんそく患者さんを拾い上げることはそんなに難しくないと考えています。要するに、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーがある乳児は、ぜんそくを合併しやすいのです。

診断基準を満たさないような軽いぜんそくは、治りやすいでしょうし、放っておいても治ってしまうものかもしれません。しかし、その逆も有り得ます。つまり、放置することで症状を繰り返し、悪化してしまうかもしれないのです。

そうしないためには、早期にぜんそくが隠れていることを見出し、マークしておくことが必要でしょう。

個人的には、ぜんそくと診断されてから治療を開始するよりは、赤枠の状態から治療に動く方が好みですし、そういう姿勢が大切だと考えています。

学会のいう診断基準を満たしてからの対応と、私のいう赤枠からの治療でその後の経過がどうかなるかなど、精査されるべきではないかと考えます。

私は学会がぜんそくのガイドラインを出すことで、適切なぜんそく治療が行われるようになったと確信していますが、更に早期から介入することで、もっと早くからぜんそく治療が行われるべきだと提唱したいと思っています。

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