小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

RSとヒトメタ
2018/05/12
RSウィルスという嫌な感染症があります。

乳幼児がかかると、熱が続き、痰絡みの咳がひどくなり、ゼーゼー言ったりする病気です。

このウィルスは、インフルエンザのように鼻水を検体として検査することができます。小児科のクリニックなら、大抵検査できるはずです。

医者のすべてが患者さんのための全力で診療に当たっているなら、食物負荷試験は多くのクリニックでやっているはずですし、自分の手に負えないと分かれば、専門医に紹介するはずです。

医者の世界には、お金だったり、医者自身のプライドだったり、患者さんの関係のないところで方針が決められたりしています。

例えば、このRSウィルス。当院が開業した10年ほど前は、周囲の開業医は誰も調べようとしていませんでした。当時は、入院した児のみ検査が許されており、外来で検査した時は、医院の持ち出しになるというルールがありました。要するに、医院の損になるということです。

開業医の多くって権利意識が強く、“もらえるものは全部もらう”、“損することはしない”という人が多いのです。ですから、RSウィルスを調べる必要があっても「できない」といって患者さんの希望に応じることはありませんでした。

現在は、ルールが改正になり、0歳児のみが保険診療で認められています。以前、新潟市から通ってくれている患者さんが教えてくれたことですが、園の0歳児のクラスのみRSウィルスが流行しており、1歳以上では診断がないのだそうです。

RSウィルスってとても感染力が強く、0歳児のみ流行するって有り得ない話だと思っています。つまり、揃いも揃って開業医が損することを嫌って、0歳児しか検査をしていなかったということでしょう。

「えっ、そうなの?」って少し幻滅と感じるかもしれませんが、医者の世界ってこんな感じですよ。多くの医者がお金にシビアです。

数年前、ヒトメタニューモウィルスという感染症の検査も同様な手法でできるようになりました。多分、多くの小児科開業医が検査できるようになっていると思います。

「ヒトメタ」と略されるこのウィルスは、RSウィルスと似たもので、高熱が続いたり、激しい咳をし、一部の悪化した患者さんは入院が避けられなかったりします。

このヒトメタの検査も、縛りがありました。6歳以下で、更に胸のレントゲン写真を撮ったケースのみ、検査料が支払われるというものです。

ご想像通り、多くの開業医が損になることを嫌い、ヒトメタの検査を避け続けてきました。当院では、かかりつけの患者さんが高熱や咳で苦しんでいる時に、原因を明らかにしたいと考えており、損になろうが検査はしてきました。これが普通だし、かかりつけ医としての責任だろうと思っています。

この春からヒトメタの検査適応が変わりました。レントゲン写真を撮らなくても、「聴診」すればお金がもらえるようになったのです。「聴診」って小児科ではしないはずはないので、変なルールですよね?。

4月から、やたらとヒトメタの検査をしたがる医者がいるとしたら、“そういう医者”なんだろうと思います。

そういうところで、医者の本性って垣間みれると思っています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>