小児科 すこやかアレルギークリニック

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虚無感
2018/06/11
土曜日は、大変でした。

13時には医院を出発しないといけないため、それを目標に診療をしていました。頑張って診療しても、電子カルテ上の患者さんの数が減らなくて、少々焦りました。

高速をやや飛ばし気味で行ったせいか、余裕で間に合い、よかったと思います。あとは発表をこなすだけだと思っていました。

新潟県のアレルギーの研究会については、これまでは発表してきませんでした。私は全国レベルで勝負したいと思っていたのですが、4年前から全国学会も発表しつつ、県内でも発表するという方針に切り替えました。

小児科医だけでなく、内科医、耳鼻科医、皮膚科医なども参加する会で、当院が食物アレルギーを中心に診療していることをアピールするためです。それで、以前経験した成人のカレーを食べてアナフィラキシーを起こした患者さんのケースや、食物依存性運動誘発アナフィラキシーにどう対応しているかなどの発表を行ってきました。

今回は、“乳児湿疹”などと誤診されていることが多いけれど、アトピー性皮膚炎の湿疹から「経皮感作」を起こし食物アレルギーが起こることを知っていただこうと思ったので、そういう内容にしています。

「えっ、なになに!?」と関心を持っていただこうと少々生意気なタイトにしたのは、そのためです。「それって、本当に乳児湿疹ですか?」というものです。

県内各地の皮膚科や小児科で誤診された患者さんが当院に逃げてこられる格好なので、多くの皮膚科医、小児科医に聞いて欲しいと目論んでいました。

メインイベントは小児科の先生だったので、小児科医は目立ちましたが、皮膚科医はほとんどいなかったんじゃないかな。当てが外れた感じでした(涙)。

結局、多くの開業医が土曜の午前中は診療をしており、午後は体は空いていても、地元の研究会にさえ参加しないようです。メインの講演が皮膚科医なら、話が少々変わってきたのでしょうが...。

またの機会に、「どうしたら経皮感作を抑えられるか」という課題に対する私の今の考えを述べようと思っていましたが、簡単に言えば、生後3か月から3割超、5か月では6割超、乳児期後半では7割の患者さんが経皮感作を起こし、卵アレルギーに傾きます。

これに対処するためには、超早期からアトピー性皮膚炎を見い出して対応しなければ間に合わないのです。

ところが、多くの皮膚科医や小児科医が、アトピー性皮膚炎を疑いもせず、“乳児湿疹”などと言い、過少診断・過小治療を繰り返しています。湿疹の改善もほとんどないのに、専門医に紹介することはまずありません。地元の皮膚科なんて、同じ軟膏を処方し続け、わずか1分で診療が終わってしまうそうです。

いつも言うように、医師だけ儲かり、患者さんには何のメリットもない、というかかえって食物アレルギーが悪化してしまう悲惨な状況が県内各地で繰り返されています。何とか一石を投じたかったのですが、肝腎の皮膚科医が参加しないことには何も始まりません。

アトピー性皮膚炎の診療については、私の考える合格レベルに達している医療をしている皮膚科は、私の知る限り県内には存在しないように思っています。にもかかわらず、そんな“1分診療”で皮膚科医には満額の報酬が支払われています。

県内の“現実”を何も変えられなかったと、虚無感を覚えつつ、家路についた週末でした。

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