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ジレンマの存在
2018/06/12
先週の土曜に新潟市内で発表してきました。

普通は、業績を上げたいとかそういう理由で医師は発表するのでしょうが、私の場合は正しい知識を新潟県内に広めたいと考えてのことでした。

この場で繰り返し書いていますので、下手な皮膚科医、小児科医よりも、ここでの読者の方の方がよっぽど経皮感作などについて理解されていると思います。

いや、多分よほど鈍感な医師でなければ、皮膚から食べ物が入り、食物アレルギーを発症することくらいは知っているはずです。茶のしずく石鹸騒動で、多くの国民が知ることになりましたから。

ただ、いつ頃起きるとか、どうしたら防げるとか、その辺については知識はないと思います。よく生後3か月から湿疹の3割以上の赤ちゃんが経皮感作を受けていると書いていますが、どこを探しても書いていないことです。当院オリジナルのデータですから。

生後5、6か月だと6割を超えてきます。多くの医師がそのことを知らないため、“乳児湿疹”などと平気で誤診し、食物アレルギーを悪化させてしまうという危機感もなく、ダラダラと通わせ、利益をあげています。

こんなに早期から食物アレルギーが始まっていることを明らかにすれば、湿疹を診療で診る機会の多い皮膚科医、小児科医もちょっと考え方を変えてはくれまいかと考えたのです。

また、経皮感作は湿疹から起こるとされますが、アトピー性皮膚炎なのかそうでないのか、その辺も釈然としていません。この辺も学会の研究が遅れているように感じています。

それについても、土曜に発表してきました。日本のアトピー性皮膚炎の診断基準に照らし合わしてみて、どうだったかというと、当院での“湿疹”の9割はアトピー性皮膚炎でした。

じゃあ、1割はどうだったのか?。

アトピー性皮膚炎の診断基準は満たしませんでしたが、変な言い方になりますが、かすっていました。つまり、アトピーっぽかったのです。これを非常に軽微なアトピー性皮膚炎なのだろうと考えると、ほぼ100%がアトピー性皮膚炎でした。

これは持論ですが、多くの皮膚科医、小児科医が“乳児湿疹”などと言っていますが、軽微なものも含めると、世の中の“湿疹”の中でアトピー性皮膚炎の頻度は相当高いものなのだろうと考えています。

日本の診断基準では、「湿疹の存在」、「痒み」、「2か月以上の経過」の3つを満たす必要があります。現状、専門医など真面目な医師は湿疹が現れて、2か月の経過を確認してから「アトピー性皮膚炎のようですね」と診断しているのだろうと思います。

ここに問題があります。アトピー性皮膚炎の湿疹は、経験上生後1か月から出ることが多いようです。そして、生後3か月には3割以上が経皮感作を受けています。2か月間の経過観察のうちに食物アレルギーが悪化してしまっているのです。

ルールに沿って診断を確定させると、その間に食物アレルギーが悪化してしまうというジレンマが存在するのです。

それについては、また触れようと思っています。

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