小児科 すこやかアレルギークリニック

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主義主張
2018/06/13
先週末、新潟市でアレルギーの研究会がありました。

特別講演は有名な小児科の先生でした。ぜんそくがご専門でしたので、ぜんそくの話でした。

ぜんそくは、一番先にガイドラインが作られ、軽症者はオノンやシングレアなどの内服薬、重くなればフルタイドなどの吸入薬を使用するという方針が示されました。

専門でない小児科医もそれくらいは知っており、治療はそれなりの薬が使用されることが多くなっています。少なくとも、以前よりはぜんそく発作で入院するようなお子さんは減っており、ガイドラインの恩恵ではないかと考えています。

ところが、ぜんそく児の頻度は減っていないし、まだまだ分かっていないことが多いという問題点が指摘されていました。

そうなんです。アレルギーについては、分かっていないことも多く、我々医師はまだまだアレルギーを制覇したなんてまったく言えない状況です。

食物アレルギーもしかり。経皮感作がいつ頃起きるとか、湿疹から感作を受けるとされますが、それがアトピー性皮膚炎の湿疹なのかどうかなど、まだ分かっていないことは多いと思います。

当院は、田舎の開業医ですので、研究という点で大学病院や有数の専門病院にかなうはずもありません。ただ、アレルギーって高価な医療機器もいらず、こだわった医療は可能だと考えています。

経皮感作については、ある程度知らなければ、敵を倒すことはできません。当院の活動もそこから始まっています。

過去の経験から生後3、4か月で卵の感作している赤ちゃんは診たことがあり、調べてみたら、生後1、2か月ではほとんどないものの、生後3か月から一気に進行し、30%以上が陽性となることが分かりました。

生後1、2か月でちょっとした湿疹では、大学病院や専門病院を受診するはずもなく、こだわった開業医ならではのデータだと思っています。

従来のアトピー性皮膚炎の診断基準には、湿疹が2か月以上慢性に経過する必要があります。つまり、生後1か月で湿疹がみられたとして、2か月後の生後3か月の時点で診断できることになります。

しかし、それでは3割のお子さんが経皮感作ができあがってしまうのです。成育医療研究センターの大矢先生によれば、海外では2か月以上の経過観察というルールはなく、日本ならではの基準のようで、それを待っていては対応が遅れてしまうのです。

生後1、2か月の時点で経皮感作を起こす“湿疹”をいかに見極めるかが重要ですが、私の知る限り、それがアトピー性皮膚炎なのか、他の病変でも起こるのかといったデータもないと思います。

当院の検討では、“湿疹”の9割以上がアトピー性皮膚炎でした。アトピー性皮膚炎は、根本的な治療なく、対症療法となりますが、本格的に治療すれば、食物アレルギーを予防できるのかもしれません。

巷では知られていない、当院の検討で分かったことを、多くの小児科医や皮膚科医に知っていただき、関心を持っていただき、食物アレルギーの発症を減らせればと考えています。

そう考えて、今年は全国学会に6回と、新潟県内で1回の合計7回の学会発表を行おうと思った次第です。

実は、まだエントリーの間に合う学会や研究会に2つにエントリーしようと思い、ひとつは今朝エントリーしました。今年はこれで9回になってしまいそうです(汗)。

普段、ぬるま湯につかり、患者さんにベストを尽くさず、収益をいかに挙げるかばかり考えている開業医の実態にも触れています。リスクの低い、軽症ばかり診て、おいしい思いをしようとしています。

そんな開業医はかなり多いのですが、場合によっては先端的なデータを出せる立場にいるのも開業医なのだろうと思っています。

もう少し主義主張のある開業医が増えなければいけないと思っています。

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