小児科 すこやかアレルギークリニック

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極意
2018/06/19
食物アレルギーを予防するにはどうしたいいでしょうか?。

当院は、食物アレルギーで受診される患者さんが多いですが、年長児の場合ですと、乳児期のことを聞いてみると、だいたいアトピー性皮膚炎を思わせる湿疹を有しています。

今は、「経皮」が主要な感作経路と言われていますが、ほぼ全例ではないかと考えています。重症なアトピー性皮膚炎では相当な確率ですが、軽微なものでも感作は起こすようです。

個人的な経験では、乳児期の湿疹の治療を始めていると、経皮感作を起こしにくくできるように感じています。実際、保湿剤を塗っているだけでは、経皮感作を防げなかったという報告もありますので、ステロイド軟膏による治療を始めていれば、経皮感作を起こしにくくできそうです。

ちょっとした湿疹に「これはアトピー性皮膚炎の始まりだろうか?」と悩むことがあります。経過をみているうちに、卵の値が上がってくることもあります。

アトピー性皮膚炎でないものに、ステロイド軟膏を使うことに抵抗のある患者さんもいらっしゃるかもしれません。何もせず、様子をみているうちに感作を起こしてしまいたくないのなら、早めにステロイド軟膏を使用した方がいいのかなと思っています。

昨日も言いましたが、アトピー性皮膚炎かどうか悩ましい時にTARCを測定すると、結構\区別がしやすいのかなと考えています。

TARCの基準値は、生後6か月以降では1367pg/mlとされますが、最近のケースでは生後1か月で17000を超えていたものもありました。

「アトピー性皮膚炎が始まっているんだろうな」という程度の湿疹でもこれくらい高かったりするのです。TARCは皮膚の炎症を反映していますので、TARCを参考に遅れることなく治療に望むべきだろうと思っています。

積極的にアトピー性皮膚炎を疑い、経皮感作を恐れ、対応する。極意は、ちょっと過剰くらいが丁度いいのではないかと考えています。

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