小児科 すこやかアレルギークリニック

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都会と地方
2018/07/09
昨日、東京で勉強会がありました。

せっかくの休みですし、今月は2回も週末が学会でつぶれます。そうなのですが、アトピー性皮膚炎の治療に関するものだったので、参加してきました。

日本の第一人者は、ステロイド軟膏以外を駆使して、ステロイドの副作用を出ないように工夫していることがよく分かりました。

先日、東京からこの春に転居されてきた患者さんが、食物アレルギーも診断書を求めて、当院を初めて受診されました。

食物アレルギーの相談にこれらた患者さんは、アトピー性皮膚炎の湿疹から経皮感作を受けている可能性が高いので、乳児期の湿疹について問診するようにしています。

残念ながら、アトピー性皮膚炎を思わせる湿疹があったにもかかわらず、“乳児湿疹”などと言われ、適切に治療されていなかったようです。この患者さんは、卵とミルクだけでなく、複数の食品が感作されていました。

多分、アトピー性皮膚炎が決して軽くなく、湿疹が悪い状況が続いていたものと思われます。私の経験からも、アトピー性皮膚炎が軽ければ、食物アレルギーの種類は少なく、重ければ、複数の食材にアレルギーがあるようです。

アレルギーの体質が強ければ、「アレルギーマーチ」という法則に沿って、ぜんそくも出てきます。この患者さんもぜんそくもありそうですが、そうは診断されていませんでした。

東京の総合病院のアレルギー担当の医師から診てもらっていたようですが、卵も乳もアレルギー採血が陽性だったので、家で少しずつ食べさせるように言われていたそうです。この時点で、私の中で「本当のアレルギーの専門の医者じゃないな」という確信が持てました。

卵も乳もそこそこ摂ってはいましたが、十分量摂れておらず、負荷試験が必要だと考えました。また、ピーナッツやソバも検査が陽性のため、負荷試験でシロクロつける必要があります。

アトピー性皮膚炎の治療も必要で、これまで家で試すように言われてきたことも、実は「食物負荷試験」という検査が存在し、医師がキチンとサポートしてあげる必要があり、ぜんそくも今はわりと落ち着いているようですが、悪化時はぜんそくの治療が必要なことも説明しました。

信頼してきた前かかりつけ医は、赤っ恥かもしれませんが、もうかからいでしょうし、仕方ありません。ガイドラインも守らず、テキトーに患者さんに接してきた訳ですから。

確かに都会はいろいろなものが手に入り、便利です。地方に来て、何もかもが不便になったのかもしれませんが、「子どものアレルギーだけは違った」と言われるよう、誠意を持って治療に当たりたいと思っています。

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