小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

もう一つ大切なこと
2018/07/11
先月ですから、6月のことですが、中旬に赤ちゃんが当院を受診されました。

“湿疹”があり、他院で治療しても良くならないということで、当院を受診されたのです。

全国各地で繰り広げられているパターンですが、そう、アトピー性皮膚炎が見逃され、“乳児湿疹”などと言われて、過少診断・過小治療が行われていました。

いつも言っていることですが、その間に経皮感作を受け、食物アレルギーを発症してしまうことが少なくないのです。医者にかかっているから安心だと思っていて、実は他の病気も発症してしまう訳ですから、医師のかかり方をよく考えていただきたいものです。だって親御さんからすれば、一番損な立場じゃないですか。

アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”などと言う医者は、経皮感作なんて一切考えていませんから、要注意です。特に皮膚科医は、食物アレルギーになれば、小児科医に診てもらえばいいくらいにしか考えていないようです。

今回の患者さんは生後6か月でしたから、当院のデータでは過半数が卵の感作を受けているはずです。アレルギー採血をさせていただくと、予想通りというか、卵白がクラス2でした。

私はどうしたかと言うと、卵黄で負荷試験を行おうと思いました。昨日も話しましたが、いかに早期から卵を食べさせ、卵アレルギーに傾きつつある患者さんと卵を仲良くさせたいと考えました。

ここで有名な専門病院だと、大きな問題が起こることが多いようです。負荷試験の順番待ちです。5ヶ月待ちなんて施設もあるようです。患者さんは生後6か月ですから、5か月も待てば、1歳近くになってしまいます。

5か月待つと卵アレルギーが重くなるという根拠はありませんが、できるだけ早く食べさせた方がいいと考えています。

当院では、アトピー性皮膚炎の湿疹を治療し、皮膚が落ち着いてきたことを確認した上で、実は昨日負荷試験を行いました。初診されてから、1か月弱ということになります。このスピードが大切だと思っているのです。

学会は、開業医は負荷試験はするな、専門病院に紹介しろと言いますが、紹介したところですぐには対応してもらえず、いたずらに時間が経過するだけだと思います。

こういった乳児の卵アレルギーに傾きかけた患者さんをどのように対応するかを、学会は考える必要があると思います。と同時に、こういう親御さんもスピーディーに対応できる医療機関を探した方がいいかもしれないと思っています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>