小児科 すこやかアレルギークリニック

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新99.9
2018/07/19
先日、新しいドラマが始まりました。

今回は、医療系のものは1つだけでしょうか?。「グッド・ドクター」という小児外科を舞台にしたドラマです。

私も初めて知ったのですが、医師全体の中で小児外科医の割合は0.3%なのだそうです。確かに、小児外科のある病院は、極めて少ないですよね。ということは、99.7%が他科の医師ということにあり、ちょっと肩身が狭いでしょうか?。

でも、当院でもたびたびお世話になっています。そけいヘルニアは何度も紹介していますし、繰り返し嘔吐したりして消化管の異常が疑われたりすると、精査をお願いしています。包茎の治療は当院でもやっていますが、1人だけ難治の子がいてオペしていただきました。

いないと小児科医は困ってしまいます。ドラマの中では、採算の取れない科で、病院の経営を圧迫しているとされています。実際のところはどうなんでしょうか?。

以前、やはりドラマ「99.9」になぞらえて、話をしました。かなりこだわってアレルギー医療を行っていますが、自分のやっていることで全体の99.9%になるものは何かという内容だったと思います。

今回、小児外科医でない割合が99.7%であることを受けて、新たな99.9%を考えてみようと思います。

「劣化する開業医」、これは確実に99.9%でしょう。

患者さん側からすると、医師はベテランなほど、経験豊富で大抵なことに対応できるとお考えでしょうね。ただ、見ていると、開業したと同時に、提供する医療内容は劣化していくと言わざるを得ません。

アレルギーなんて、顕著です。食物アレルギーの診療は、食物負荷試験なしにできないとされていますが、負荷試験を行っている開業医はほとんどいませんよね?。専門病院に紹介状を書く良心的な医師もいるでしょうが、全例ということはないでしょう。

私の感覚では、明らかに95%以上の開業医が負荷試験をせずに食物アレルギー診療をしているでしょうが、正しいこと、適切なことをやっていない訳です。

昨日も触れたように、95%以上の皮膚科医、小児科医がアトピー性皮膚炎の診断もできないように思います。のちのち診断されることもありますが、かなり遅れており、既に経皮感作を起こしてしまっています。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーがあると、ぜんそくを発症しやすくなりますが、ほとんどの小児科医が、風邪だと誤診しています。相当に進行してようやく診断されることもあります。

何故こんなことが起こるのか?。開業医を取り巻く環境だと思っています。

開業医の周りは、誰もかもがイエスマンのようなものだからです。患者さんは医師を盲目的に信用しているし、変なことをされたり言われたりすれば、他の医者のところに行けばいい訳です。結局、その医者に都合のいい患者さんしか、その医師の元に集まらないということになります。

医師への報酬も、ぜんそくを“風邪”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”、食物アレルギーを負荷試験もせずに「除去しなさい」と言い続けるだけで、医師には満額の報酬が支払われます。どんな間違ったことをしても、お金が入る仕組みになっているのです。

そんな環境下では、医師は誰もかもが自分の好き放題になってしまいますよね?。実際、ほとんどの開業医が効率や利益の優先順位がかなり高いはずです。

ということで、開業医の99.9%が徐々に劣化していく、というのは現実なんだろうと思っています。

患者さんは、もう少し客観的に医師を見て、判断していただきたいと思っています。

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