小児科 すこやかアレルギークリニック

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手応えがない
2018/07/30
週末は、福岡へ学会に行ってきました。

台風が非常に珍しいコースをたどり、ニュースでも大きく取り扱われていました。私も発表があるので、行かない訳にはいきません。

土曜の朝早く家を出て、新潟空港に向かいます。台風の影響もなかったため、普通に到着し、学会発表も行ってきました。

問題は帰りです。当初、日曜の18時台の飛行機で帰ってくる予定が、ちょうどその頃に台風が福岡に接近するようです。学会1日目が終わり、懇親会も出ずに、福岡空港に戻り、早い便にチケットを買い替えてきました。

翌日は、台風の影響を全く受けることなく、帰ってくることができました。日曜に帰ってこれなければ、月曜の診療に大きな穴を開けることになってしまいます。無事に帰って、その後は子ども達をプールに行ってしまいました。私も多忙です(笑)。

さて、発表自体は、今年発表を繰り返している食物アレルギーの発症をいかに防ぐかという内容でした。これまではポスター発表だったり、皮膚科の先生が中心の学会だったりでしたので、小児科医、小児科の看護師に聞いてもらうほぼ初めての発表だったように思います。

いつも書いていますが、経皮感作は生後3か月から一気に進みます。ということは、生後1、2か月に手を打つ必要があると考えています。

ただ、大きな壁があり、専門医も含めてアトピー性皮膚炎の診断は早期につけてはいないという現状があります。要は、アトピー性皮膚炎で間違いないという状況で、治療を開始する医師が多いということです。

それでは、経皮感作は防げないことになります。今では、感作を受けていても、生後6か月から少量の卵を食べさせれば、卵アレルギーの発症を予防することは可能です。当院の経験では、これでもごく一部の患者さんは症状が出てしまうのです。

できれば、経皮感作自体を防ぐとなると、超早期から対応しなければならなくなります。その辺も当院のデータを満載で、こうすればいいのではないかという提案を行ってきました。

新しいことをやると、同業者というか、日本の第一人者からそれこそ台風並みの風当たりの強い指摘があるものです。それを覚悟していました。会場には日本の第一人者の先生が何人かいるのを知っていましたし。

発表が終わり、質問の時間になってみると、一人開業の知り合いの先生の意見が出ただけで、食物アレルギーで有名な先生からは何もありませんでした。まあ、無視ってやつですかね...(汗)。

小児皮膚科学会では少しは評価をいただけたのですが、小児科の学会ではこんな有り様です。シンポジウムが終わっても、誰も私の元にはやってきませんでした。

アトピー性皮膚炎の診断がしっかりと確定するくらいのタイミングでは、遅過ぎるという雰囲気は聴衆には伝わったかなとは思っています。これからは食物アレルギーの発症を予防して、食物アレルギーを減らしていかなければならないはずなのに、ちゃんとした議論もされないとは、日本の小児アレルギー分野は大丈夫でしょうか?。

台風の影響を心配し早めに帰ってきてしまいましたが、それにしても、手応えのあまりない学会だったと感じています。

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