医療系のドラマは、観るようにしています。 今は、小児外科医にスポットを当てた「グッドドクター」をやっています。「子ども達をみんな大人にしたい」という言葉、いいですよね。刺激をもらえます(笑)。 ドラマを観ると、「医師の仕事は尊いもの」、「お医者さんは我々のために日々努力している」などと思ってしまいますが、ダマされてはいけません!!。 普段診療していると、デタラメをされて、患者さんが救いを求めて当院に逃げてこられるなんてことは日常茶飯事であり、“誤診”というか、最低レベルの“診療”しかされておらず、自分を犠牲にして、患者さんのために尽くすドラマのような姿を重ねることは、全くできません。 風邪に咳止めや鼻水止めを出す、胃腸炎に整腸剤を出すのは普通のことで、対症療法しかないので、どの医者にかかっても差はそんなに出てこないでしょう。インフルエンザの場合も、鼻水をもらって検査し、陽性を確認して、タミフルやイナビルなどの抗インフルエンザ薬を処方するのも、医療機関での差は出にくいと思います。 アトピー性皮膚炎の場合は、悪い意味で差が出ません。だから患者さんには、分かりにくいと言えます。 つまり、赤ちゃんでは“乳児湿疹”などと言い、効かないようなキンダベートなどの薬を処方し続ける小児科医、皮膚科医が多いのです。しかも、「できるだけ薄く塗って、良くなったら塗るのを止めなさい」なんて指導します。医者が10人いたら、8、9人はこんな指導をしているのかもしれません。 ステロイド軟膏は副作用が心配されています。素人の患者さんが心配するのならまだしも、医者がステロイド軟膏のことを理解しておらず、全く使いこなせていないので、こんなことが起きるのです。 今は、「プロアクティブ治療」といって、短期間で大量のステロイド軟膏を使用し、皮膚を一旦ツルツルの状態にします。それをゆっくり減らして、皮膚を高値安定させていくというやり方です。 ほとんどの医者が、ステロイド軟膏を使うこと自体を怖がり、一気に皮膚の状態を良くするということができないのです。多くの小児科医がへっぴり腰ですし、皮膚のプロのはずの皮膚科医も驚いたことに、できない医師が多いようです。 最近は、夏休みでかかりやすいのか、年長児のアトピー性皮膚炎の患者さんの受診が目立ちます。今年は暑かったので、皮膚の状態が悪い患者さんが多いようです。 周囲で、アトピー性皮膚炎にまともに取り組んでいる医師は皆無のようで、まさに「無医村」状態のようです。そもそも、まともな治療を受けている患者さんなんてみたことがありません。 私も苦戦している患者さんはいますが、新潟ではほとんどないであろう「プロアクティブ治療」を取り入れ、最後の砦になれるよう、取り組んでいます。 これは新潟県に限らないでしょうが、多くの医者がいい加減な治療を繰り返し、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というような状況になっています。つまり、医師が皆、似たような治療をしているので、まともな「プロアクティブ治療」に辿り着けないのです。 アトピー性皮膚炎治療は、ほとんどの医者が、やるべきこともやらずに、効かないような軟膏を処方し、繰り返し受診させて私腹を肥やしているという現状を理解して欲しいと思っています。 |
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