小児科 すこやかアレルギークリニック

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2018/09/22
先日、水イボでお困りの患者さんが受診されました。

水イボは、数の少ないうちに取ることが推奨されていますが、世の中の多くの小児科医、皮膚科医は、「放っておけば治る」とうそぶきます。

今回の患者さんも、ある小児科医に放置すれば治ると言われ、ひたすら待っていたのですが、増えてきて不安になり、友人の勧めで当院を受診されたようです。

この場合、私が利用しているものがあります。「アレルギーマーチ」です。

「アレルギーマーチ」とは、時々触れていますが、アトピー性皮膚炎が基点となって、食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎と次々にアレルギーを発症していく構図を指します。

私の感覚の中で、水イボはベースにアトピー性皮膚炎があることがかなり多いと考えています。

日頃から軽症であってもアトピー性皮膚炎を見逃さないように心掛けており、アトピー性皮膚炎があり、皮膚を掻くことで、傷から水イボウィルスが入り込むことで感染し広がっていくと認識しています。

そして、アトピー性皮膚炎は、生まれてまもなくから発症することが多いです。ここも、多くの小児科医、皮膚科医が、“乳児湿疹”と信じて疑わないため、最初から見逃しが生じているようです。

アトピーは、成長とともに軽快していくことが多く、典型的な皮膚症状は影を潜めるため、見逃し続けられることが多いように思っています。夏場は湿度が高く、皮膚は潤っていますが、冬場の乾燥とともに皮膚が一気に悪くなることを繰り返すようです。

今回の患者さんも、アトピー性皮膚炎はあると感じています。それを、ある程度確信に変えたのが、問診を続け、ぜんそくの気があると思えた時です。

要は、軽度のぜんそくも隠れていて、小児科医から“風邪”と誤診されていたのです。鼻も長引くそうで、アレルギー性鼻炎もあるものと思われます。

「アレルギーマーチ」を活用すれば、軽度ですがアトピー性皮膚炎、ぜんそく、鼻炎と見つけることができることが多いと思います。「食物アレルギーは?」と言われそうですが、これは食べさせ方で発症したり、しなかったりするので、なくても問題ないと思います。

親御さんも、水イボが気になって当院を受診された訳ですが、意外な話の展開に少々驚かれたのかもしれませんが、皮膚や呼吸器のトラブルの原因が分かり、少々スッキリしたのではと思っています。

医師たる者、使えるものは全部使い、患者さんの症状軽減に努めるべきだろうと考えています。

そうそう、肝腎の水イボですが、ピンセットでつまみ取ります。そうしている小児科医、皮膚科医はほとんどいませんが、痛み止めのテープを事前に貼った上で、取るとほとんど痛みを感じさせずに除去することができます。

こんなに確実な、いい方法があるにもかかわらず、多くの小児科医、皮膚科医は面倒くさがってやろうとしません。そうやって、同業者が信じられなくなっていくのです。

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