小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

お節介焼き
2018/09/27
こうやってホームページにいろいろ書いていると、全国から相談のメールをいただきます。

全例が、まともな医療を受けておらず、大丈夫か?と不安になって相談したくなるようです。私の方も、「私ならこうするのに...」というのがあって、心が痛みます。

新潟県内の方であれば、直接受診すればいい訳ですが、関東だったり、関西だったりすると、もう受診は不可能です。その場合、私のお節介焼きの心にスイッチが入ります。

福岡県在住の方から相談があった場合、専門医にかかった方がいいと思い、私の学ばせていただいた福岡の専門病院に受診したいただいたことがありました。もちろん、病院の専門の先生にも事前にお願いしていて、受診がスムーズにいくよう配慮しました。

関西も、結構中途半端な治療がなされている場合があります。専門病院にかかっていてもです。その場合も、私の信頼する先生にかかるべきと思えば、患者会を紹介しています。そうすると、受診できるように誘導してくださるのです。このルートは、もう何回も活用させていただいています。

関東の専門病院にかかっているのけれど、完全除去が続いていた患者さんには困りました。ようやく負荷試験をやってもらったようなのですが、かなり重症化しており、なかなか摂ることができないのです。

ここまでくると、相当な腕の医師に頼まなくてはなりません。私のお節介が炸裂し、Sセンターに紹介状を書きました。受診に紹介状が必要なので、何とかせねばと考え、気付いたらそう行動していました(笑)。

これまた関東の患者さん。やはり専門病院にかかっているのだけれど、負荷試験の待ち期間が非常に長くなっており、自宅で自己責任で乳を少量摂らせていました。

半年も待つのなら、より重症化してしまうかもしれません。なので親御さんの気持ちもよく分かるし、判断は正しいと思っています。ただ、自宅でやるには危険過ぎます。

知り合いの先生に相談し、信頼できる先生を紹介してもらいました。開業されているので、すぐに受診できそうです。このケースはつい最近のことなので、そろそろ受診されるのだと思います。

メール相談だけでは足りず、専門医にかかり、中長期的に診ていってもらうためには、これくらいのことはしてあげなければと思っています。

こういうことをやることで、新潟県内のみならず、全国のアレルギー事情を感じることができます。食物アレルギーは、少しずつ食べさせて、仲良くさせる方がいいと考えていますが、いまだに完全除去を指示する専門病院があることが分かったし、専門病院の負荷試験待ちで何か月も待たさせる弊害についても理解できました。

当院のホームページはのぞいていても、メールの仕方が分からなかったり、今の主治医を裏切るようで申し訳なくてメールを送れない親御さんも多いはずです。それよりも何よりも、当院のホームページにアクセスしたことがない患者さんは圧倒的に多いので、そう考えると、ひとり悩み苦しんでいる親御さんはどれだけいるのだろうと心配になります。

受診が到底不可能にもかかわらず、私のような地方の開業医にすらすがりたくなるような親御さんが少なくないのは事実です。こういう現実を学会幹部は把握しているのだろうか?、不安になってきました。

多分、「遠くても、専門医を受診しなさい」くらいの答しか持ち合わせていないだろうと思っています。結局、日本の第一人者に診てもらえると思っても、負荷試験が5ヶ月待ちと言われれば、我慢して約半年も待たなければいけない現状は、異常です。

ひとつの解決法として、実力のある開業医を活用すればいいのでしょうが、学会は「負荷試験は開業医はやるべきでない」と考えているし、開業医はレベルが低いと決めつけているフシがあります。はなっから連携しようとはしていないようです。

いずれにしても、もっと“お節介焼き”を増やさないと、疲弊する親御さんを救えないだろうと考えています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>