小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

そのものと加工品
2018/09/29
もう9月も終わります。あと今年も3か月しかないんですね。

10月も講演、学会、「すこやか健康フェア」があり、合わせて5つ話さなければなりません。まだまだ気を抜けません。

私の講演を何度も聞いてくださっている方もいるでしょうが、同じスライドが多いと「またかぁ」なんて退屈させてしまうので、なるべく変えようと思っています。かといって大事なスライドは変えようがありませんが...。

食物アレルギーは、17年前から専門的に、そして真面目に取り組んできたため、気付くことも多いのだろうと思っています。その辺をスライドに加えようと考えているところです。

一般的な負荷試験は、卵なら卵焼きかスクランブルエッグ、乳なら牛乳そのものを用いて、その何分の1からと,決まった量を決まった通りに負荷試験をやっていきます。それがガイドラインが推奨している方法です。

以前メール相談があった方ですが、赤ちゃんが卵黄を少量食べて、明らかなアレルギー症状を起こしたそうです。主治医に相談したら、スクランブルエッグで負荷試験をすると言われたそうです。わずかな卵黄で症状が出ているとすると、スクランブルエッグ何分の1から負荷試験をやると、相当危険ではないでしょうか?。

こういうところに、ガイドラインのもろさがあると考えています。医者がシロクロつけることだけを考えていて、いかに症状を起こさずに、確実に食べていく方法を見つけようとはしていないから、こういうことになってしまうのでしょう。

昔の私も、そんな対応をしていたかもしれません。でも、今はいかに危険をなくし、安全に食べるかを考えています。

この場で何度も書いていますが、当院では1歳過ぎから卵クッキーを使っています。学会は、卵そのものを使うことにこだわっています。メーカーが含有量を変えることがあったり、製造過程で量にバラつきがあることも心配してでしょうが、果たしてそんなに問題でしょうか?。

多分、研究を考えているからだと思います。私は、医院での負荷試験状況を臨床研究の成果として発表することはあっても、食べさせ方とか内容はまったくこだわりがありません。加工品を使うなという学会のやり方を、守る必要はないと考えています。

例えば、卵を米粒1つを毎日食べさせるのと、卵クッキーや卵ボーロを日々食べさせるのは、親御さんにとってどちらが楽でしょう?。どちらが美味しいでしょう?。味は個人差があるかもしれませんが、便利さでは加工品を用いる方ではないでしょうか。

研究優先の考え方が、食物アレルギーの一般臨床の日頃の食べさせ方に影響するのは、賛成できません。

こういう堅苦しさが、開業医に負荷試験をさせようとする気持ちに歯止めをかけている部分もあろうかと思っています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>