小児科 すこやかアレルギークリニック

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アレルギーマーチ
2018/10/02
「アレルギーマーチ」は何度もこの場で出てくる重要な概念です。

その考え方によると、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎という順番で出てくることが多いようです。

最近では、アトピー性皮膚炎が起点となり、皮膚から食べ物が入り込み、食物アレルギーが起こるとされます。皮膚からダニやホコリが入り、ぜんそくやアレルギー性鼻炎が起こると考えられています。

この「アレルギーマーチ」をどう臨床に活用すべきでしょうか?。2つあると思っています。

湿疹の患者さんをアトピー性皮膚炎がどうか見極めます。食物アレルギーやぜんそくをその後に発症してくることが多いでしょうから、食物アレルギーやぜんそくを見つけやすくなると思っています。

もう一つは、アトピー性皮膚炎を早期に見つけ、湿疹の治療を開始してしまうこと。そうすれば、湿疹から食べ物が入らなく、食物アレルギーを予防できるかもしれません。また湿疹からダニやホコリが入り込まず、ぜんそくや鼻炎を回避できるかもしれません。

アレルギーという慢性疾患を早期に発見し、治療に持ち込むことができれば、軽くできるかもしれませんし、治りやすくすることが可能かもしれません。そんな夢のような話が、現実の話になるかもしれないのです。

当院では、その辺のことはもう既にやっています。まずアトピー性皮膚炎を早期に見つけることが、非常に難しいのです。

日本の第一人者も何もやっていない訳ではなく、区別できる検査項目を探してくれているようです。現実的は、なかなか見つからないようです。

食物アレルギーの場合は、卵なら卵を食べて症状が出るものが「卵アレルギー」な訳です。離乳食が始まって、卵を食べて、症状が出て初めて卵アレルギーの有無が分かるということでしょう。

それ以前に、卵白の検査が上がっていれば、卵アレルギーの可能性は指摘できます。しかし、食物アレルギーの定義がそうであるため、食べる時期にならないと分からないということになります。

離乳食として、赤ちゃんに卵黄から与えることが多く、そうこうしているうちに免疫療法が行われ、卵を食べても何ともない人が多いのだろうと考えています。

次はぜんそくですが、やはり第一人者の先生は、ぜんそくを区別するための検査項目を探っていますが、見出すところまでは至っていません。

「アレルギーマーチ」はもう何十年か経った概念ですが、早期発見・早期治療を考えた時に、次の一手がなかなか出ないというのが現状なのではないでしょうか?。

我々がアレルギーを克服するには、まだまだ時間がかなりそうだという印象を持っています。

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