小児科 すこやかアレルギークリニック

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もうちょっと大人
2018/10/03
子どもの食物アレルギーの中で、鶏卵が最多とされます。

当院のデータからも、鶏卵アレルギーが生後3か月から増え、生後6か月以上の湿疹を持つ赤ちゃんの7割が経皮感作されているという驚くべき現実が伺えます。

ご存知の方も多いかもしれませんが、卵は乳は小麦と違って、お腹の症状が出やすいとされます。つまり嘔吐、腹痛、下痢などが多いのです。

学会は、そのもので負荷試験をやることを推奨しています。結局、学会幹部が、研究的な意味合いもあって、卵そのものを使って負荷試験をやっているので、それを下々の医師にやらせようとしているのだろうと思います。

卵アレルギーの重めの患者さんに、卵そのものを使って負荷試験を行うと、おそらく消化器症状が出やすいはずです。

それを防ぐにはどうしたらよいか?。私は加工品を使うことだろうと考えています。当院では、卵クッキーを用いています。

もちろん、小麦を使っているクッキーであれば、小麦アレルギーがあれば、活用はできません。小麦アレルギーがある場合は、小麦アレルギーを治してから、卵クッキーでの負荷試験をやるようにしています。幸い、若いと、小麦アレルギーは食べさせると、面白いように治ることが多いと感じています。

なぜ卵クッキーにこだわるのか?。卵と小麦が絡み合うことで、卵アレルギーを起こしにくくしてくれるからです。これが一番のポイントです。

あとは、卵焼き何gを連日用意するよりは、卵クッキー数枚を用意する方が数段簡単だし、小腹が減った時のおやつとして、美味しく食べられます。

当院では、「卵クッキー」→「カステラ」→「卵焼き」と3段階に分けて食べさせている訳ですが、開業医が食べさせるには、最強だと考えています。極めて重症なごくごく一部の患者さんはのぞいて、ほとんどの卵アレルギーの患者さんが、このやり方で食べられるようになります。

学会は、本気で負荷試験を全国に広めたいのなら、開業医でもやるたくなるような方法を用いるべきなのですが、どうにでも自分達のやり方を押し通したいように見えます。

普段から書いているように、負荷試験はできれば症状なんて起こさせるべきではありません。起こさせずに、食べられるようになるのが“おしゃれ”なんだと思うのですが、吐いて嫌な思いをするのは患者さんですし、そうやって本格的に卵を嫌いになってしまうお子さんもいるのでしょう。

もうちょっと大人になっていただきたいものだと思っています。

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