小児科 すこやかアレルギークリニック

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食育
2018/10/08
土曜日は、長岡市で講演がありました。診療が終わって、すぐに出掛け、何とか間に合いました。

いただいていたテーマが「食育」でした。普通であれば、食物アレルギーは、アレルギー採血が陽性であっても食べられることもあり、負荷試験でシロクロをつける必要がある。重症者は、命を落とすこともあるので、誤食が起きた時には速やかに適切に対応しましょうという話の流れになろうかと思います。

私自身、「食育」という言葉を十分に理解している訳ではないのでしょうが、何か未来を感じてしまいます。一生除去とか、あまりにネガティブなことを言うのは、不適切だと思っていました。

食物アレルギーは、「食べること」が基本です。あれもこれも除去なんてしてはいけなく、必要最小限の除去に留めるべきでしょう。

ここで言う「必要最小限」とは、卵、乳、小麦といった食材の品数という意味と、卵の場合なら、卵料理を食べて症状が出るけれど、加工品を食べられるなら、加工品は除去しないという意味です。

食べられる範囲で食べることは、患者さんの食のクオリティーは上がるでしょうし、もっと食べられるようになることが期待できます。

逆に、食べられるものを安易に「食べるな」と指導することは、患者さんを苦しめることにつながります。更に、食べないことで、食物アレルギーが重くなる可能性があります。小児科医として、やってはいけない指導だと考えています。

ご存知の通り、卵、乳、小麦は子どもの食物アレルギーの主要アレルゲンですが、これらは極力食べられる範囲内で食べさせる必要があります。当院では負荷試験を行い、食べさせる努力をしてきました。

甲殻類、軟体類、魚類、魚卵、ソバ、ナッツ類などは完全除去を指導されることが多い上に、エビアレルギーが疑われれば、魚介類すべて、ピーナッツで症状が出れば、クルミもアーモンドもナッツ類として一括りで除去されることが結構あると思います。

当院では、こういった食材でも負荷試験を行い、食べさせる努力をしてきました。これまでの負荷試験をまとめると、行った負荷試験の85%は問題なく食べられることが分かりました。

そのデータを提示し、セットで除去すべきではないということをお伝えできたのかなと思っています。最近では、アレルギー症状を起こした食材であっても、負荷試験を行い、“これくらいなら食べられる”というのを把握し、その範囲内で食べさせるようにしています。

少なくとも卵、乳、小麦などは、そういうやり方で食べられる範囲を広げられることができると感じています。ナッツ類、魚介類、ソバなどもそうすべきと考えています。

最後に、当院の取り組んでいる食物アレルギー発症予防の研究について、お話しさせていただきました。早期にアトピー性皮膚炎を見つけ、治療し、食物アレルギーを防ごうというものですね。その結果についても現在分かっている範囲でお話ししました。

参加者の方々が思う、「食育」というテーマに沿った話をできたのでしょうか?。食物アレルギーの未来は、そんなに暗くはないというメッセージが伝われば、成功なのだろうと思っています。

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