小児科 すこやかアレルギークリニック

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時代遅れ
2018/10/09
こんなことを言うと、怒られちゃうんでしょうね。

今日は、先週の土曜の食育の講演で使ったネタのひとつをご紹介しようと思います。

卵白の特異的IgE抗体って、食物アレルギーの診療において最も使われている検査だと思います。これには0〜6までクラス分けされています。0は陰性、1は疑陽性、2以上は陽性とされます。

「陽性」とは言うけれど、卵や乳、小麦などがクラス2の患者さんが必ず食べて症状が出る訳ではないので、「陽性」という言い方が適切ではないのだろうと思っています。医者から「陽性だから、除去」と言われれば、客観的な証拠を突きつけられてしまい、食べてはいけないと思ってしまいますよね。

こういう数字ありきの捉え方って、以前は「とても重視すべきもの」と捉えていましたが、片っ端から負荷試験をやっているうちに、クラス2は「ほとんど食べられるもの」と考えていますし、クラス4とか6なら加工品から食べさせています。大抵が問題なく食べられています。

学会は、「プロバビリティカーブ」を参考にしなさいと言っています。

「プロバビリティカーブ」とは、特異的IgE抗体が、基本的に低ければ食べられる、高ければ食べられないことが多いため、抗体価が上がるにつれて、症状の起こる確率が右肩上がりに描かれる曲線のことです。食物アレルギーの診療では、結構重視されているものです。

私も何年も前から、園や学校に出掛け、食物アレルギーの誤食時の対応について知ってもらう活動を繰り返してきました。以前は、食物負荷試験の存在を多くの方々に知ってもらおうと考えていたし、「プロバビリティカーブ」についても解説していたように思います。

いま、気付きましたが、最近は講演のスライドに一切「プロバビリティカーブ」を使っていないんです。何故なら、私自身が食物アレルギーの診療において、まったく活用していないから。

これは実際に土曜に使ったネタなのですが、「当院で卵白がクラス6の患者さん13人に、卵焼きで負荷試験をしました。何人症状が出たでしょう?」と参加者の方々に問いかけました。

「プロバビリティカーブ」によれば、抗体価が100、つまりクラス6ですと100%症状が出るとされます。これって本当でしょうか?。

当院の実績ですと、13人中、11人は問題なく卵焼き1個を食べています。症状の出た2人も、1人は内服薬、もう1人は治療なしで改善しています。

この13人は、当院の得意のパターンで、卵クッキーやカステラを食べて、練習しているため、クラス6でも症状が出にくくなっているものと思われます。

要するに、食物アレルギーは加工品などから食べていると、「食べられ方」が変わってくるので、抗体価やプロバビリティカーブは、さして役に立たないのです。

そう考えると、プロバビリティカーブを重視する学会の考え方は、時代遅れと言えないでしょうか?。怒られるかもしれませんが、私の言っていることは、間違いではないですよね?。

数字ありきで、頭ごなしに「あなたは食べられませんよ」と言われているようなもので、食べ進める方法で「食べられ方」はどうにでも変わると思っています。

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