小児科 すこやかアレルギークリニック

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停滞感
2018/10/10
今日が、来年の学会のエントリー締め切りでした。

今朝までかかって、何とか登録しました。私の場合は、いつもギリギリです(汗)。

17日は新潟市で研究会、20日は小児アレルギー学会があります。この2つの発表が終われば、今年目標のしていた10回の学会発表が終わります。とは言っても、13日は当院が独自に開催している「すこやか健康フェア」があります。この1週間、どれだけ忙しいんだか...。

私の学会発表は、いつも自分の医院で得られたデータを使わせていただいています。今年10回も発表しようと考えたのは、経皮感作は生後3、4か月から一気に進むことが分かったため、それを多くの医師や患者さんに知ってもらおうと思ったのがきっかけです。

これだけ何度も発表すれば、それなりに大勢の方々の目に触れたはずですが、何かが変わったかという変化はまったく感じられません。

日本の第一人者もご存知ないようなデータを発表したつもりですが、少なくとも小児科医から何の意見も言われていません。新しい分野なので、こっそり研究して、論文にして、他の医師を出し抜こうとしているのかもしれません。

一般の方がテレビドラマで目にしているように、医師の評価は論文で決まります。それは本当です。いい論文を書けば書くほど、医師としての評価は高まるという格好です。

アレルギーという分野にどっぷり浸かっていると、いろいろなことが見えてきます。昨日も触れたように、「プロバビリティカーブ」と言えば、食物アレルギーの世界では、誰もが知っている守るべきルールみたいな位置づけになっているのだろうと思います。

ちょっと勉強している医師なら、患者さんにデータを示し、「プロバビリティカーブによれば、あなたのお子さんは50%の確率で卵は食べられませんよ」なんて説明しているのでしょう。

そう説明されれば、50%という高い確率で、具合が悪くなってしまうので、食べるのを止めておこうとなってしまうことでしょう。食物アレルギーは、食べることで治る方向にもっていけると思っています。除去しても、何も生まれないと私は捉えています。

卵料理を50%の確率で食べられないのだとしたら、私なら卵を含む加工品にすれば、90%食べられると考えます。安全に、美味しく卵を食べられるはずです。そもそも、逆に50%も食べられる確率があるのなら、そちらの方向に進むべきだと思っています。

日本の食物アレルギー医療が、除去が基本になっており、敢えて言えばプロバビリティカーブが除去のための道具になっているように感じています。

私のような田舎の開業医であっても、除去が基本ではなく、いかに食べさせるかという課題に立ち向かってきました。そして、今は皮膚治療をすることで予防していきたいと考えています。

にもかかわらず、学会は除去が基本で、開業医は負荷試験はすべきではない。専門病院に紹介するように推奨しています。その専門病院が負荷試験を3か月とか5か月待ちだったりします。

私が食物アレルギーの世界に感じる停滞感は、こんなところから感じているのだろうと思っています。

最近はこう思っています。これでいいのか、日本の食物アレルギー医療と!。

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