小児科 すこやかアレルギークリニック

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裏返してみると
2018/10/11
この場でもよく触れていますが、昨年6月に学会から「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」が発表されました。

生後4、5か月の時点でアトピー性皮膚炎と診断し、ガッチリと治療し、生後6か月から毎日少量の卵を食べ続けたら、1歳の時点で卵アレルギーを8割減らすことができたというものです。

でも、裏返してみると、湿疹が良くならず、かかりつけ医からアレルギー採血を勧められ、卵白が陽性だったりすると、「卵アレルギーがあるから、卵を食べないように」なんて指導されたりすると思います。

その結果、何が起こるか?。卵アレルギーが作られるってことですよね?。食べさせていればいいものの、除去を勧められ、逆に卵アレルギーを増やしていることになります。

結局、学会が卵アレルギーを減らしたいと思っても、非専門医の手にかかれば、病気を作ってしまうのです。そんなことなら、アレルギー採血をしない方がよかったということになりますよね?。

結局、医者の世界は、ガイドラインとか提言を守る必要はなく、かかりつけ医の判断を重んじるという、訳の分からない「ルール」があるため、こんなことが頻繁に起こるし、医者は「オレはずっとこのやり方でやってきたんだ」なんて勝手に自信を持って、旧態依然としたことを患者さんに押し付けてしまうのです。

学会も学会です。アレルギー採血が陽性であれば、卵アレルギーとして扱うと言っています。多分、専門医であっても、生後6か月から提言のもとになった成育医療研究センターのやり方と同じ方法で食べさせている医師はほとんどいないと思います。

多分、卵白がクラス5とか高いと、「とりあえず除去しましょう」なんて言っているのだろうと思います。

これも逆です。なるべく早期に、少しでも卵を食べさせていくというのが正解で、クラス5だろうが、6だろうが、食べさせていかなければならないのだろうと考えます。除去の期間が長いほど、食物アレルギーは悪化する、固定化するのだろうと思っています。

これもよく言っていますが、病院の“負荷試験待ち”によって、3か月も5か月も食べさせることなく、除去が続きます。

せっかく卵アレルギーを減らすための提言が出たのですが、非専門医にかかっても、専門医にかかっても、多くのケースで卵アレルギーは減らないというのが現実のようです。

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