小児科 すこやかアレルギークリニック

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時代はくるのか?
2018/11/02
昨日、ソバの負荷試験を行いました。

アレルギー採血は、クラス3でした。私の中でアレルギー検査の結果が確からしいと思うのは、ミルクが代表ですが、ソバもそういう印象を持っています。数字が高いと症状が出る可能性が高いという意味です。

もう一つ、最近よく触れていますが、より若いうちに食べさせるというのが、食物アレルギーにおいてかなり重要なポイントだと思っています。そんな中、ソバの負荷試験です。

ガイドラインによれば、卵や乳、小麦については少量、中等量、日常摂取量と3段階に分けていて、重症度に合わせて負荷試験をやりましょうと、やっとまともなものになりましたが、ソバなどは何も触れていません。

「負荷試験をやっています」なんて言いながら、ソバやピーナッツの負荷試験を敬遠している小児科医もいるでしょうから、逆に2段階に分けるとか書いて欲しいのですが、そこまでは書いてありません。

昨日の患者さんは、確か1歳児で、ソバは未摂取でした。どれくらい摂れるかはまったく分かりません。まず5センチから開始しました。何も起こらず、よかったです。

徐々に増やしていくのですが、ソバは細いため、一応100g持参していただきましたが、なかなか量を食べさせることができません。ただ、これが落とし穴であって、一気に数10g食べさせ、一線を越えれば、アナフィラキシーを起こしてしまいます。

まあ、恐る恐る増やしていき、30g食べさせたところで、終了としました。十分でしょうね。親御さんは面倒かもしれませんが、家で30g以内で食べてもらい、次回は100gを目標にした負荷試験を行おうと思っています。

冷静に考えると、クラス3で30gを何の問題もなく食べられたことは、よかったと思っています。ソバは「除去しやすい食材」と考えられているフシがあり、除去が指示されることが多いのかもしれません。

もしかしたら、1、2歳の若いうちに食べさせれば、結構食べられるものの、除去を継続することでより重症化するなんてことかもしれません。いや、可能性は結構あると考えています。

そう考えると、若いうちからなるべく食べさせる、安易に除去しない方がいいのでしょうが、多くの医師がそれに気づいておらず、ソバアレルギーが“作られている”部分もあるのかもしれません。

当院は、1歳でもピーナッツ陽性の患者さんに砕くことで負荷試験を行っていますが、多くの小児科医がこんな食材に対しても、積極的に食べさせていく時代はくるのでしょうか?。

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