以前なら、カレーを食べてアナフィラキシーを起こしたという場合は、ピーナッツアレルギーを思い起こしました。 市販のカレールーの中に隠し味としてピーナッツが含まれており、ピーナッツアレルギーの患者さんがそれを食べることで、アレルギー症状を起こしていたのです。 最近は、企業努力でピーナッツが含まれないようになっており、カレーでアレルギーを起こす場合は、スパイスアレルギーを考えます。 以前、そういうお子さんが受診され、カレーのメーカーに連絡を取り、含有するスパイスの情報を得て、皮膚テストでこれだろうというスパイスを数種類に絞り込むことができました。 ただ、せっかく絞り込めても、除去が難しいスパイスも含まれていたため、ではスパイスの負荷試験をやりましょうということになりました。なかなかここまでやる医師は少ないだろうと思われます。私もスパイスをどれくらい負荷するのかは、手探り状態です。 原因として疑っているスパイス2種類を用いて負荷試験を行ったのですが、摂取させた量が少なかったからかもしれないのですが、何も起きませんでした。 ここまでくると、負荷した量が少なく、症状が出なかったということのほかに、スパイス以外のものでアナフィラキシーを起こしたのでは?という考えが浮かんできます。 1周まわって、明らかにアナフィラキシーを起こしたA社のカレーで負荷試験を行うしかないと覚悟を決めました。この場合は、原点に立ち返る必要がありますよね?。 ということで、内心ドキドキしながら、1食分のカレーで負荷試験を行いました。あっさり結果を書きますが、何もアレルギー症状は引き起こされませんでした。 カレーは除去し、疑わしいスパイスも除去してきたのですが、これでカレーが原因ではない可能性が出てきました。他にアナフィラキシーを起こす原因があり、気づいていない可能性もあるのですが、当院を初診以来、アナフィラキシーは起こしていません。いずれにしても、カレーは家で少しずつ食べていただくことにしました。 原因探しの旅は続くのでしょうが、とりあえず一区切りがついたと言うべきでしょうか?(汗)。 |
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