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今日はシンプルに画像を示したいと思います。
生後3か月のひどい湿疹の患者さんが当院を受診されました。私は赤ちゃんの湿疹の多くはアトピー性皮膚炎だと考えていますが、多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”などとのたまっています。
今回の患者さんもそうでした。一見してアトピー性皮膚炎という状況でした。日本の第一人者は認めていませんが、この場合、「TARC」がとても有効です。
生後4か月がまもない3か月でしたので、離乳食の開始も踏まえて、卵や大豆、小麦などのアレルギー検査も一緒にさせていただくことにしました。
当院のデータでは、生後3か月であっても卵が3割の確率で経皮感作されています。この患者さんも心配したのですが、卵白などすべて陰性でした。ただ、気になるのはTARCが高値なこと。もうアトピー性皮膚炎を考えなければなりません。
この赤ちゃんは湿疹が悪かったので、しっかりと治療しなければ、食物アレルギーが悪化することが懸念されます。しっかり治療しましょうと説明していました。
そして、その1か月後、治療効果を判定することにしました。採血をするのはかわいそうですが、客観的な指標があるのですから、確認した上で治療の手を弱めるのは、合理的だと考えています。
1か月後、TARCは500を切る値に低下していました。しっかり治療を行ってくれたことが分かりますし、軟膏を塗る回数を減らしても大丈夫ということでしょう。
1か月後の採血時に、卵白を調べたのは、遅れて上がってくることがあるからです。それもありませんでした。この調子で頑張れば、卵アレルギーは阻止できるかもしれません。
アトピー性皮膚炎も早期発見し、治療できるし、食物アレルギーも予防できるのかもしれません。早期に対応することは、患者さんにとってこれだけのメリットがあるのです。 |