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食物アレルギーの有病率
2018/11/26
全国各地で食物アレルギーの誤食時にどう対応するかについての研修会が開催されています。

その中で、食物アレルギーは年々増えていると紹介されることが多いと思います。実際に、食物アレルギーの有病率は増加しているというデータはあります。

学校を対象にした全国調査で平成25年に2回目の全国調査が行われ、数年前にデータに比べ、かなり増加しており、それが“食物アレルギーの有病率が増えている”という根拠なのでしょう。

こういった全国調査になればなるほど、専門医にかかっている人は少なく、ということは食物負荷試験も受けておらず、“自称”食物アレルギーが増えます。負荷試験もせずに、食物アレルギーがあるとは、言ってはいけないはずなのにです。

また、ある先生も指摘されていましたが、平成25年と言えば、東京調布市の給食での食物アレルギーの死亡事故の翌年に当たります。食物アレルギーが社会問題となり、親御さんの間にも不安が高まりました。それで曖昧だった人が、急に手を挙げた可能性はあります。

ということで、食物アレルギーの有病率について、本当に信頼できるデータってほとんどないものと思われます。

そもそも、有病率とは食物アレルギーがあるかないかということですが、そんな簡単なものではないと思っています。

じゃあ、「食物負荷試験をしてシロクロつければいいんでしょう?」とおっしゃる人もいるかもしれません。確かに卵アレルギーなら加熱した卵1個を食べられるかどうかを判断根拠にしています。しかし、卵を3個含まれる大きなオムレツを食べて症状が出ても、卵アレルギーと診断します。牛乳だって、200mlが目安になっていますが、300ml摂って症状が出ても、牛乳アレルギーと診断します。

こう考えると、結構曖昧だと思いませんか?。

1、2年前にアレルギー採血で、卵白6、オボムコイド6という患者さんが受診されました。加熱卵白を表すオボムコイドが6な訳ですから、検査的には最強の数字だと思います。地元の専門医に「負荷試験はできない」と言われ、当院に逃げてこられたのです。

私もバカではないので、いきなり卵焼きで負荷試験をしたりなんかしません。いつも通り、卵クッキーをクリアし、カステラもクリアし、最終的に卵焼き1個を完食しました。家でも卵料理は食べていただいております。

学会の言う、卵アレルギーの定義は、卵を含む食品を食べてアレルギー症状を引き起こすものを指します。その患者さんは、確か未摂取だったので、「卵アレルギーではない」ということになります。

卵白6、オボムコイド6という“最強スペック”を誇っても、卵アレルギー間違いなしと思われても、「卵アレルギーではなかった」のです。

種明かしをすれば、要は食べさせ方の問題です。多分、この患者さんに卵焼きから食べさせていれば、アナフィラキシーなり症状を起こしたものと思われます。

多くの卵アレルギーがあるとされている患者さんに対し、当院のやり方を用いたら、多くが「卵アレルギーはない」と診断されると思っています。

検査の数値だけで除去されていたり、乱暴にもいきなり卵焼きで負荷試験をやられて、症状を起こしてしまうような患者さんがいなくなるため、卵アレルギーの有病率はかなり少なく抑えられると考えています。

食物アレルギーの有病率って、何なんだろう?。私はいつも不思議に思っています。

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