小児科 すこやかアレルギークリニック

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独占企業
2018/11/28
先日、新潟県北部の某市から患者さんが初診されました。

私の講演を聞いて、受診したいと思ってくださったようです。こういう活動は、自分の利益のためにやっている訳ではないのですが、受診してくださるのは有り難いことです。

食物アレルギーで困っている人は多いですが、よく書いているように、アトピー性皮膚炎が起点になっています。早期にアトピー性皮膚炎を見つけることが重要だと繰り返していますが、多くの小児科医、皮膚科医にとって関心がないようで、“乳児湿疹”だと言われています。

最初はそう思っても、徐々に悪化し、アトピー性皮膚炎の診断基準を満たしてくるのですが、お構いなしに“乳児湿疹”の治療を続けています。アトピー性皮膚炎の治療に本気で取り組むと、いかに難治かよく分かります。早期に治療を始めても、そう簡単には安定しません。

まあ、学会もアトピー性皮膚炎の早期発見についてはほとんど触れておらず、日本のアトピー性皮膚炎、食物アレルギーの対応はまだまだと言わざるを得ません。なので、“最前線”にいる開業医に、対応を求めても難しいのかもしれません。

それで、先日受診された患者さんの話に戻りますが、乳児期からアトピー性皮膚炎と思われる湿疹はあったようです。食物アレルギーもぜんそくもありそうです。卵を除去するよう地元の小児科医から指示されていましたが、親御さんが疑問に思い、お菓子程度は与えていたようです。

問診後、診察に入りますが、少々驚きました。かかりつけの小児科からアトピー性皮膚炎の治療を受けているとは聞いていましたが、皮膚の多くが、小児のしっとりした皮膚ではなく、ガッサガサだったからです。治療しているとは到底思えない状態でした。

お薬手帳を見てみると、キンダベートというステロイド軟膏が繰り返し処方されていました。敢えて言いますが、こんな薬、弱過ぎて効きません。良くもなっていないのに、効かない薬を処方し続けるのは“詐欺”行為だと思っています。専門医に紹介しないのも、呆れ果てるばかりです。

この状況では、負荷試験もできません。負荷食材を食べて皮膚が痒くなったのか、それともアトピー性皮膚炎自体の痒みなのか区別がつかないからです。まずは、まともな皮膚治療をするよう勧めました。

かかりつけ医は、この患者さんの街では唯一の小児科医です。要は、“独占企業”な訳です。医者で周囲に同業者がいないと、自分のやり方でやりたい放題になってしまいます。

他の地域でも小児科や皮膚科は、ガイドラインとはかけ離れた医療を展開していたりします。何をやっても許されると思ってしまうのでしょう。

私の地元では小児のアレルギー専門医はおらず、ある意味、私も独占企業と言えます。でも、専門医の名に恥じないような医療を提供できるよう努力しているつもりです。

他と比べることがなかなかない“独占企業”の開業医は、要注意だったりします。もちろん、まともなことをやられている医師もいるのでしょうが...。お気をつけいただきたいと思っています。

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