小児科 すこやかアレルギークリニック

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隠したい気持ちも分かるが
2018/11/30
専門病院は、負荷試験の予約が数ヶ月先まで埋まっていると聞きます。

同じく負荷試験にこだわっている当院ですが、その現状はちょっと信じられません。なぜなら、当院は必要だと思えば、すぐに負荷試験の予定を組んでしまうし、患者さんのご都合を優先しているからです。

ですので、負荷試験で待つことは、年度末は混雑することはありますが、他の時期はほぼありません。

そもそも、生後5か月以前に卵白が陽性だと分かると、6か月になるのを待って負荷試験を行っています。この時点で4、5ヶ月待ちだと1歳近くになってしまいます。0歳から食べさせることは、実はとても重要なことで、いたずらに先延ばしすべきではありません。

その負荷試験ですが、多くの患者さんもリスクは、アナフィラキシーを起こすかもしれないことだとご存知だと思います。

食べさせることが重要だと言いました。でも、食べたらアレルギー症状が出てしまうかもしれません。では、どうしたらいいのか?。

アナフィラキシーを起こさないように負荷試験を行えばいいのです。

アナフィラキシーは、アレルギー症状を起こすボーダーラインを大きく超えて食べさせた時に起こるものです。多く超えなければ、じんましんなど軽い症状で済むはずです。

繊細な気持ちで、丁寧に負荷試験をやれば、アナフィラキシーは避けられると考えています。それなりの経験も必要かもしれません。

負荷試験は、アナフィラキシーを起こさずとも、じんましんが出ただけでも「陽性」と判断できます。強い症状を起こしてしまうのは、負荷試験のやり方に問題があるのだろうと思っています。

もちろん、専門病院を中心に負荷試験は多く行われていると思います。当院は、ここ2年でアドレナリン注射は1件だと書きましたが、そう言うと、専門病院のドクターは「うちは重症を多く扱っているから」と反論すると思います。

先程も言いました。例えば牛乳アレルギーですと、非常に少ない量から負荷試験を行えば、軽い症状で留めることが可能です。必要以上に、患者さんにアレルゲンを摂らせることに恐怖心を植えつけてはいけないのです。

現状、多分専門病院ほどアナフィラキシーの件数が多いのではないかと予想しています。

私は、負荷試験でアナフィラキシーを起こすことがで、より食べづらくしてしまい、食物アレルギーをより重症化してしまうという、負荷試験によって作られる重症な食物アレルギーがあると考えています。専門的な医療を希望して、結果として重症化してしまえば、不本意以外の何ものでもありません。

専門病院も含め、年間どれだけのアドレナリン注射が行われているのか、学会は公表すべきだと思うのですが、そういう都合の悪いことはオープンにされないことが多いようです。

負荷試験にアナフィラキシーは付きものと考えているフシもありますが、専門施設も含め、アナフィラキシーのない負荷試験を追い求めて欲しいと願っています。

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