昨日のNHKの「あさイチ」という番組で食物アレルギーを取り上げていました。 最初は大人の食物アレルギーの話が出ていて、次に子どもの食物アレルギーに触れていました。 専門病院で負荷試験を受けている重症な牛乳アレルギーの子が取材されていて、0.2mlから開始し、トータルで3ml摂れることが分かったと言っていました。 出演した医師が、以前は、負荷試験をやって途中で症状が出れば、完全除去と指導していたと言っていました。最近になって、食べられる量を設定し、積極的に食べているようになったと言っていました。 いやいや、私は17年前から卵や乳アレルギーのお子さんに、卵クッキーや乳ビスケットを負荷試験し、食べさせていました。私から言わせれば、ようやく、恩師や私のやってきたことが広まってきたかという思いです。 以前は、アナフィラキシーを起こしたお子さんは、当然のように完全除去を続けていましたし、牛乳で負荷試験をやる時は、100mlなり200mlを目標に設定し、どうにでも摂らせようとしていましたから、だいぶ時代が進んだものだと思っています。 いや、食物アレルギー医療が患者さんに優しくなってきたというべきでしょう。以前の医療は、研究色が強かったように思うのは、私だけでしょうか?。 いずれにしても、アナフィラキシーの既往のあるお子さんにも完全除去にせず、負荷試験を行い、3ml程度で症状が出ないところで終了するのは、賛成です。先ほども言いましたが、当院ではずっと前からやってきたことです。 そう考えると、医学は日進月歩と言われますが、食物アレルギーの医療の進歩って意外とゆっくりなんだなと感じています。 専門病院は多くの重症患者さんをあつかっていると思いますが、これまで完全除去を続けてきて、より重症化したかもしれない患者さんにも、この方針でやっていくのだろうと思っています。特に重症な牛乳アレルギーは難治なため、事故のないことを願っています。 長年食物アレルギーに力を入れてきて、時代の変遷を感じた瞬間でした。 |
<<前の記事 | 一覧 | 次の記事>> |