小児科 すこやかアレルギークリニック

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挑戦は続く
2019/01/25
少し前にカニを食べて、赤くなったという患者さんが初診されました。

近医にかかり、カニのほかエビも除去と指導されていました。多分、これに多くの人が何の疑問も感じないことと思います。

よく書いているつもりですが、ピーナッツアレルギーがあるから、クルミやアーモンドなどの他のナッツ類も除去している患者さんは結構多く見受けられますが、こういう指導は適切でないことが多いのです。

それと同じかそれ以上の確率で、エビとカニがセットで除去されているように思います。今回の患者さんもそうでしたので、そうとは限らないと親御さんに負荷試験の必要性を説明していたのです。

この時点で、非常にラッキーな患者さんと言えなくもありません。何故なら、エビもセットで一生除去するものと思っている患者さんが多いからです。

患者さんは医師の言うことを「正しい」と信じています。アレルギーに関しては、正しくないことが圧倒的に多いため、専門医にかかるべきなのですが、通常は近くに専門的な医療を提供する“受け皿”がないので、「正しい」かどうか判断しようがないと思うのです。

その点、上越市は園や学校、周囲の人が当院への受診を勧めてくださるようです。残念ながら同業者の医師はまず紹介することはありません。そこまでして客を減らしたくないかと思うくらいですね...。

この患者さん、先日エビの負荷試験を行いました。蒸したエビを5尾持ってきてもらい、全て完食しています。

当院にとっては、よくあることですが、こういう場合、当院の経験で言わせていただくと、症状の出る可能性の方が低いんです。ちなみにエビはクラス2という数値でした。

当院の存在を知っている、もしくは受診しようと決意した患者さんしか、こういうことを味わえない訳で、負荷試験の必要性を、この場で11年も書き続けていますが、どれだけ患者さんに幸せを提供できたのか不安になります。

地元の医師の食物アレルギーに対する意識が相当変わらなければ、紹介なんてないだろうし、まだまだ当院の挑戦は続きます。

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