小児科 すこやかアレルギークリニック

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夢みて
2019/01/29
食物アレルギーは、除去されることが多いと思いますが、果たして本当に正しいのでしょうか?。

以前は、食べることで、卵や乳の抗体が作られるため、食べなければ、抗体が作られないものと考えられてきました。それが、抗体は皮膚から、経皮感作により作られることが分かってきました。

食べることは、「悪」から「善」に変わってきたのです。今は理解が広がってきて、経口免疫療法なんて言われています。

ただ、まだまだ卵と乳、小麦が中心であって、ピーナッツやソバ、エビなどは除去されることが多いように感じています。

私の中では、食物アレルギーを唯一、積極的に治す方法が「食べること」であって、「食べないこと」(=除去すること)は、治ることを放棄しているかのように思えます。それは、相手がピーナッツ、ソバ、エビであろうと一緒だと考えています。

卵や乳、小麦は「除去」が難しく、知らないうちに食べていて、“経口免疫療法”をしてるんじゃないかと思っています。しかし、それ以外のアレルゲンだと、知らずに食べているってことはまずなく、治ることは期待できないのかもしれません。

しかも、食物アレルギーは卵などもそうですが、除去期間が長く、ずっと食べていないとなかなか食べられません。ピーナッツやソバなども低年齢のうちから、少しずつ食べさせていくことが「正解」なんだろうと考えています。

こういう大事なことって、学会が作っていくことだと思うのですが、あまりリーダーシップを発揮できていないように思います。ということで、独自に進めています。

約1年前にクルミで負荷試験をやったお子さんがいて、途中でアレルギー症状が誘発されてしまいました。約1年経って、リベンジをしようと考えました。

そうすると、昨年症状が出た量よりも多く食べられることが分かりました。ただ、調子に乗って多く食べさせてアナフィラキシーを起こしてもらっては困るので、途中で終了としました。

ということで、クルミであっても、少しは摂っていく方向で指導しています。治ることを夢みて、頑張ろうと思っています。

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