小児科 すこやかアレルギークリニック

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“現実”
2019/02/01
食物アレルギーの世界に大きな流れが来ています。

この場でいつも書いているように、除去をして「食べない」という方法から、「食べて治す」という方法へです。そして、更に予防するという流れになっています。

成育医療研究センターの発表したプチスタディーのごとく、アトピー性皮膚炎を早期に徹底的に治療し、「経皮感作」をストップさせ、生後6ヶ月から少量の卵を食べさせることで、卵アレルギーの発症を減らすことができるという時代になっています。

確かに学会は、この件について提言を出しました。“湿疹”の治療と、早期から食べさせることを推奨していたように思いますが、個人的には中途半端に終わっているようです。

いまだに多くの医者が、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”なんて言っているし、「経皮感作」させないことが重要なのに、経皮感作の「け」の字も考えていないように思います。更に、湿疹を改善させるチカラを持ったステロイド軟膏を選択して、ガッツリと攻撃的に治療していく「プロアクティブ治療」という戦略を取っていかねばならないのに、そうしている小児科医、皮膚科医はほとんどいません。

そもそもアトピー性皮膚炎は、かなり早期から始まるし、多分多くの患者さんが「これがアトピー性皮膚炎なの?」と思うくらいのわずかな湿疹から始まっています。昨年、生後3ヶ月から卵の経皮感作が一気に進むことを繰り返し学会で訴えましたが、その事実を活用していただけていないようです。

残念ながら、日本の第一人者も含め、食物アレルギーに対し、「食べ物」だけを見て対応しようとしており、自ら出した提言を守っている医師はほとんどいないように感じます。

本気で食物アレルギーに取り組んでいると、もうこの流れにしかならないはずなのに、食べ物の除去とか、負荷試験をして白黒をつけようとか、従来通りのやり方から進化していないように思えるのです。

生後早期に湿疹を治療し、「経皮感作」を防ごうと思えば、食物アレルギーの発症を抑えることは可能です!。プチスタディーでは、既に「経皮感作」した患者さんも多く、そういう患者さんに卵を少量から食べさせる戦略でしたが、昨日も書いたように卵の感作を受けてしまえば、食物アレルギーの症状は起き得るのです。

食物アレルギーを本格的に抑えるには、湿疹を見れば、常にアトピー性皮膚炎を疑って対応するしかないと考えていますし、そうすることで食物アレルギーは予防は十分できると断言できます。

そして、「経皮感作」を許しても、早期から少量から食べさせていけば、発症予防できます。当院では、この2段階のアクションで、予防しています。

長年食物アレルギーの医療に取り組んでいますが、現時点でこの方法かしかないと思います。にも関わらず、そうしていない医師があまりにも多く、どれだけ本気なのかと疑ってしまっている自分がいます。

日本の第一人者やアレルギー専門医といっても、この戦略を取っているのは相当限られるのが現実でしょう。

多くの患者さんにも知っておいていただきたい“現実”ですね。

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