小児科 すこやかアレルギークリニック

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想定内
2019/02/16
今年に入って、初めて当院を“湿疹”で受診された赤ちゃんがいました。

聞き飽きたでしょうが、“湿疹”とはアトピー性皮膚炎の誤診でした。もう「誤診しない医者はいないんかい」って感じです。

アトピー性皮膚炎もひどく、もう8ヶ月でしたので、食物アレルギーが心配でした。検査をしてみると、卵白、ミルク、大豆が陽性でした。何はともあれ、これら3つの食品の負荷試験が必要です。

早速、卵白を絡ませた卵黄で負荷試験を行なっています。この場でアレルギー採血の結果は、あまり関係ないと書いていましたかね?。クラス6だろうと、食べられる量を食べるというのが極意になります。

実は、この患者さん、負荷試験で蕁麻疹が出てしまいました。卵黄ごときでとお思いかもしれませんが、卵白はクラス4でした。

やはり、クラス4は本物でした。クラス2くらいだと、ほぼ症状は出ないのですが、4だと出てしまいました。ただ、これも想定内です。

負荷試験は、除去か、そうはしないかを判断するために行っていますが、なるべく早いタイミングで、少しでもいいから食べさせることがポイントだと考えています。負荷試験で陽性だからと言って、盲目的に除去の指導をするのは、本当の専門医とは言えないと思います。

親御さんには、どれくらいの量をどういう頻度で食べさせていくか説明しました。そして数ヶ月後のスケジュール、治るかどうかの見透しまでお話ししました。ある意味、当院の面目躍如でしょうか?(笑)。

今回の話でお分かりの通り、卵白の抗体価が高い場合は、注意が必要だということを覚えておいてください。

ただし、多くのケースで、医者から“乳児湿疹”などと言われて、過小治療を行われていて、卵アレルギーの「た」の字も考えていない状況で、症状が出てしまうので、焦るしかなできない状況だろうとは思いますが...。

ですから、まずアトピー性皮膚炎の診断ができる医師にかかり、採血すれば卵が高いかどうか分かりますので、負荷試験を行い、医師から食べられる範囲の指導を受ければ、なにも怖いことはなかろうかと思っています。

想定できる範囲で動くことが、お子さんを守るということにダイレクトにつながるのではないでしょうか?。

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