世の中には、食物アレルギーでお困りの方も少なくないと思います。 その食物アレルギーが、経皮感作から生じることが分かってきました。いつも言っているように、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎の順で、合併発症してくるアレルギーマーチが基本となっています。 アトピー性皮膚炎が起点となっていると考えられており、当院ではそのアトピー性皮膚炎をいかに早く見つけ、手を打つかを考えています。当院は、食物アレルギーにこだわっているため、それくらいは当然であろうと思っています。 しかし、多くの医師は「はい、乳児湿疹ですね。大したことないです」なんて言っているのが現状です。 多くの医師が食物アレルギーに関心もないため、それを防ぐことなど考えていないんでしょうね。それが悔しくてなりません。 この分野で先進的な研究を行い、論文を書いているのは、成育医療研究センター以外にないと言ってもいいでしょう。 この場で、アトピー性皮膚炎になりやすい乳児に保湿剤を塗り続け、アトピー性皮膚炎の発症を3割減らしたとか、アトピー性皮膚炎の乳児をガッツリ皮膚治療したあと、生後6カ月から卵を少量食べさせて、卵アレルギーの発症を防いだとか、書いていますよね。 調べてみると、他にもいろいろな研究がなされています。例えば、今日のタイトル。3歳の時点の食物アレルギーに影響する因子として、生後1𞄚カ月時の湿疹の存在を挙げた研究もあります。 論文発表は2015年になっていますので、研究自体は2013年くらいから計画されたものではないでしょうか?。3年前に当院主催のすこやか健康フェアの講師を務めてくださった成育医療研究センターの大矢先生は、やっぱりスゴイです。 これに続く施設はあるかと言うと、ないですね。重症な食物アレルギーのことだけ診ていて、その対策にかかりっきりのように見えます。当院のような田舎の開業医でさえ、アトピー性皮膚炎を早く見つけ、食物アレルギーを減らそうとしているのに、皮膚はあまり重視していないように見えます。 もちろん、重症な食物アレルギーを治す努力は必要ですが、例えばぜんそくやアトピー性皮膚炎を本気で治そうとはしている医師は、あまりいないのではないでしょうか?。慢性の病気で、すぐに治せないことを知っているからだと思います。食物アレルギーに対する食べて治す方法も、とても重症だとなかなか歯が立たないように感じています。 ですから、いま増えつつある食物アレルギーを減らしていくべきなのに、なかなかそういう動きがないのは、歯がゆいです。これは、食物アレルギーの第一人者の使命でもあるはずですが、大矢先生のところ以外からそういったアナウンスのないことが、問題なのだろうと思っています。 |
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