小児科 すこやかアレルギークリニック

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検脈
2019/04/04
昨日の続きを。

毎年、食物アレルギーの講演のスライドを春に完成させ、その年に強調したいことや最新情報を盛り込んでいるつもりです。

昨日は、学校生活管理指導表が今のままでは不十分じゃないのかという話をしました。今日は、別の話をしようと思っています。

緊急性の判断のところで、「ぐったり」や「意識もうろう」という項目がありますが、その中に「脈が触れにくい、または不規則」というものがあります。

通常、脈をみることを「検脈」というそうですが、手首の橈骨動脈を指を3本並べて触れるというのはご存知だろうと思います。

この部分は大事なことなのに、講演会ではさらっと話していたので、ここもしっかり理解していただいた方がいいと考えています。

例えば、アナフィラキシーショックの際、血圧が下がる訳ですが、となると橈骨動脈など細い血管は触れづらくなります。医者は具合の悪い患者さんが運び込まれると、心拍モニターをつけたり、聴診器で肺と心臓の音を確認します。正直、脈をとっている医師は非常に少ないのだろうと思っています。

でも、園や学校関係者は医療機器も聴診器も持っていないことが多いので、脈が触れにくいとか、不規則なのを確認しづらいだろうということに気づきませんでした(汗)。

ネットで調べても、総頚動脈や上腕動脈、大腿動脈でも脈を触れることができると書かれています。その辺の触れ方をやり慣れている人は多いとは思えず、そこも今後強調していくべきことだと思っています。

手首の動脈よりは太いし、触れやすいはずです。ただ、苦しがっている患者さんの首を触れまくるのは呼吸状態を悪化させる可能性もあり、総頚動脈を触れるのは避けた方がいいと思われます。

上腕動脈は、私も触れてみましたが、腕の力こぶの下に指をはわせるとよく触れました。ここが便利そうです。園や学校の先生方には、複数の箇所の脈を触れるトレーニングをお勧めしたいと思っています。

食物アレルギーの誤食時の対応の話はよくしていますが、まだまだ足りていなことが多そうです。この際、見直してブラッシュアップしていきたいと考えています。

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