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解熱後の発疹
2019/04/20
タイトルのように書くと、突発性発疹を思い浮かべる方が多いと思います。

実際、ある日はたまたまそういう巡り合わせでした。ある日の午前中に1歳前後の患者さんが二人“解熱後の発疹”で受診され、突発性発疹と診断していました。

数人診たあと、次の患者さんの問診票に目をやると、解熱後の発疹と書かれていました。患者さんには悪いけれど、「また突発性発疹かぁ〜」となってしまいます。

突発性発疹の発疹は、皮膚に凹凸もなく、少しにじんだような少し面積のある発疹で、痒みは伴わないと思います。実際、先の2名はそういう派手な感じの発疹でした。

「また突発か〜」と先入観の入った目でみてしまう訳ですが、発疹の性状が異なるようで、かゆみも伴うようです。発疹は体にそれなりに広く出ていました。触ってみると、少し凹凸も感じます。

突発性発疹の場合、発熱は2、3日続きます。この患者さんも熱が2、3日出て、下がったようだとおっしゃいます。実は、この患者さんはアトピー性皮膚炎があるため、「アトピーの悪化かも」という思いもありました。それだと、発熱はどう説明したらよいでしょうか?。

診察してみると、扁桃腺にわずかに膿が付いています。熱が続いて、扁桃腺に膿が付くと言えば、アデノウィルス感染症かもしれません。調べてみると、しっかり陽性でした。

私の見立てはこうです。アデノウィルス感染症で熱が数日続き、風呂に入れなかったりして、急激にアトピー性皮膚炎が悪化したものと考えています。アデノウィルス感染症はなかなか熱の下がらない病気ですが、今回は3日ほどで解熱したのでしょう。

普段、医者の手抜きの実態に触れることもありますが、「咳」=「風邪」と診断している小児科医の多いこと!。今回の“解熱後の発疹”という触れ込みだけで、「ちょっと違う気もするけれど、突発と診断しておこう」なんて考える小児科医もいることだろうと思います。

アデノウィルスは登園許可証の必要な感染症ですし、キチンと診断し、登園許可を出さないと園にウィルスをばらまいてしまうことにつながりかねません。突発性発疹の発疹は無治療ですが、アトピー性皮膚炎の悪化に対して何も処置を行わなければ、患者さんは痒くて仕方ありません。

“誤診”をしない医師は存在しないと思いますが、診療の効率を求めるあまり、見逃すべきでないサインを見逃すこともあるかもしれません。長い診療経験の中で、違和感を覚えたら、立ち止まってよく考える。これがコツなのかなと思っています。

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