小児科 すこやかアレルギークリニック

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食べられる量
2019/05/14
昨日も書きましたが、医者の世界って、患者さんのために厳しい方に向かっていくべきなのに、医者自身の都合のいい方に流されやすいものだと思っています。

食物アレルギーの考え方も、今の日本のそれは、ちょっと違うんじゃないかと考えています。

卵や乳、小麦は小児に多い食物アレルギーとされます。検査すると、クラス0だったり、2だったり、はたまた5だったりします。抗体がなければ、食べてもアレルギー反応は起こさないし、抗体が多ければ多いほど、アレルギー反応を起こす可能性が高まります。アナフィラキシーまで起こすかもしれません。

でも、抗体価が高くても食べられることが結構あって、成長期のお子さんがあれもこれも除去しないように、食物負荷試験が必要だと言われています。要するに、食べられるかどうか、シロクロつけましょうということです。

この考え方って、私は引っかかります。以前はそう考えていましたが、そんな簡単なものではないんじゃないかと思っています。

少なくとも、“食べられる量”ってかなり変化するものだと思っています。食べられる量って、患者さんにとって重要な項目でしょうが、専門医も含めて、「除去しなさい」とよく言いますが、除去によって“食べられる量”って変わるものでしょうか?。甚だ疑問に思っています。

少しずつ食べることで、“食べられる量”が結構変化するものだと考えています。つまり、やや極端かもしれませんが、「除去」って食物アレルギーに必要な指導だろうか?とすら感じます。

重症な患者さんは少しずつ食べることすら難しかったりします。しかし、軽症、中等症だと食べていくと、どんどん食べられるようになります。

逆に、シロクロつけてはいけないとすら思います。

クロということは、症状が出てしまうということ。患者さんも親御さんも食べさせるのが怖くなってしまいます。負荷試験はシロクロをつける検査というよりは、「これくらいは食べられる」と自信を持ってもらう検査だと思っています。決して強い症状を起こさせてはなりません。

そうやって自信を持って食べていくと、もっと食べられるようになることが多いと思います。この姿勢が一番大切じゃないのかなと思う今日この頃です。

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