小児科 すこやかアレルギークリニック

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エビはダメだったけど
2019/05/18
食物アレルギーの対応って、面倒臭いと思われているようです。

最低限の知識があると、そうでもないと思うのですが、多くの医師が“食わず嫌い”になっているように思います。医者が“食わず嫌い”でどうする?って感じです(笑)。

血液検査が陽性のものはみな除去とか、魚介類、ナッツ類はまとめて除去とか、よくある話です。一度踏み込んで対応してみると、コツが分かるのですが、踏み込んで対応しようとすらしたことがないので、いつまで経っても面倒臭いままのようです。

ピーナッツアレルギーがあるから、クルミもアーモンドもカシューナッツも除去と言われたりしますが、それこそ根拠はないと思います。よく言われますが、ピーナッツは土の中になるものですし、他のクルミ、アーモンドなどは木の実としてなるものです。

魚介類も、エビアレルギーがあると、カニ、イカ、タコ、貝類みんな除去というドクターもいます。エビアレルギーにカニアレルギーは合併しやすいと言われますが、イカとかタコはそれ程合併はしないとされます。

確かに、魚介類を調べてみると、あれこれ陽性になることがあります。しかし、負荷試験をやってみると、結構食べられて、ほとんど除去する必要がなかったなんてこともあります。

4月に関東の方から転居されてきて、前医では負荷試験を一切やられておらず、4月から負荷試験をしまくっているお子さんの話をしました。つい先日も負荷試験をやりましたが、もう5回か6回目です。

前医から出汁もアナフィラキシーを起こすからダメだと言われており、負荷試験で裏付けを取ることもなく、あれもこれも除去とされていましたが、あれもこれも食べられることを確認しています。罪深い小児科医です。

こんなことをしても満額の医療費が医師側に支払われますから、努力する医者が少なくなってしまうのです。

この患者さんは、確かに魚介類のアレルギー採血の結果が軒並み陽性なのですが、片っぱしから負荷試験を行い、白黒をつけるしかないのです。

前医から禁じられていた出汁から始まり、魚やエビの負荷試験をやってきました。エビは症状は出てしまいましたが、先に述べたように軟体類を除去する根拠はありません。ということで、先日イカの負荷試験を行いました。

私の予想通り、問題なく食べられました。

6歳ともなると、負荷試験をしようにも警戒して食べてくれないことも多いのですが、食べてくれるのがうれしいところです。

有名専門病院では、負荷試験を1回受けるのに、半年待ちだったりするそうです。この患者さんの場合、6回受けるのに、3年かかるということでしょうか?。

そういう意味では、当院は全国有数の待たせない医療機関なのかもしれません。

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