小児科 すこやかアレルギークリニック

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ブレーキを掛けている
2019/05/31
何度か書いていますが、関東からこの春転居されてきた患者さんの件です。

紹介状によると、乳児期に湿疹がひどくて、ナッツ類、魚介類、魚類がどれも除去されていました。出汁でアナフィラキシーを起こしたとかで、出し汁さえも除去されていました。

確かに、前医のアレルギー採血をみると、除去しているもののあれもこれも“陽性”ではありました。私から言わせれば、どれもこれも負荷試験の適応なのですが、どれもこれも除去になっていました。

私からすれば、「こんなに除去するなんてあり得ない。どれが食べられて、どれが除去すべきなのか、負荷試験で整理してあげるしかない。」と考えるのですが、紹介状には「負荷試験を希望されなかった」みたいに書いてありました。

親御さんも一生懸命な方で、初診されて2ヶ月弱。先日も負荷試験をしましたので、もう6回も行なっています。これだけの頻度で負荷試験を受けに来る方は少ないのは、確かだろうと思います。親御さんの仕事などのスケジュールや距離などの問題もあります。

「負荷試験をやっていきましょう」と提案して、これだけの頻度で受診されるということは、紹介状に書いてあった「負荷試験を希望されたなかった」というのは、ウソだろうと思ってしまいます。

敢えて言えば、医師が「負荷試験はアナフィラキシーを起こすかもしれず、やりたくない」と思えば、患者さんはそうなってしまうのだろうと思います。

多くの医者が「負荷試験はやりたくない」と勝手にブレーキを掛けているから、患者さんも「そんな危険なこと(負荷試験のこと)はやらない方がいいのではないか?」と考えるし、「お医者さんがいうように、採血の数値が下がるまで待つしかないなな」と思ってしまうのだろうと思います。

全国的には徐々に負荷試験をやる施設が広がっていると言います。それは確かなのでしょうが、相変わらず多くの医者が負荷試験にブレーキを掛けており、必要な患者さんが適正に負荷試験を受けられていないということなのだろうと、今回の患者さんで感じています。

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