小児科 すこやかアレルギークリニック

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感じられてならない
2019/06/03
先日、負荷試験を医師がやりたがらないのではないか?と書きました。

確かに、アレルギーの原因食品を食べさせる訳ですから、アナフィラキシーを起こす可能性は否定できません。

これには、私もこだわって負荷試験をやってきました。開業してからもう12年になります。つまり、負荷試験は、この12年間は全て外来で行なっています。

よく書いていますが、その間に食物アレルギーの考え方が大きく変わってきました。皮膚から食べて物が入るため、アトピー性皮膚炎の治療が非常に重要なことや、除去ではなく、なるべく早期に食べさせることが大事であることが分かってきました。

当院は、12年前から加工品から少しずつ食べさせるということをやってきました。考え方が大きく変わったのは、世間であって、当院の方針は全くブレていないつもりです。

食べられるものは食べさせていく、この方針は譲れませんでした。過去にアナフィラキシーを起こしていようがです。当時は、アナフィラキシーを起こしていれば、1年は負荷試験はすべきでないと言われていました。それは今も似たようなものでしょうか?。

例えば、卵焼きを食べてアナフィラキシーを起こし、これまで食べていた卵のお菓子まで除去する指導が平気でなされていました。食べて何ともないものを、除去だなんておかしくないですか?。

そんな感じで、自分のやっていることを信じてやってきて、学会などの方針とはちょっと違う方法をとってきました。やはり、今でも抗体価が高いと除去だとか言われています。

私の現在の見解は、なるべく低年齢から、少量から食べさせていくことです。低年齢とは、0歳で受診されたのであれば0歳から、3歳で当院を初診されたのであれば、3歳から食べさせていっています。

抗体価が下がるのを待つメリットは全くないと思います。かえって、除去を長い期間続けたのちに、負荷試験で食べさせる方が危険なこともあろうかと思います。

学会は、経口免疫療法が重症者の治療の切り札と考えているようですが、負荷試験で定めた、食べられる量を食べ続ける、いわゆる「食事療法」で十分だろうと思います。

とにかく、早い時期に、少量で食べさせていくことの重要性に、多くの人(専門医も含む)が気づいていないように感じられてなりません。

一応言っておきますが、少量食べさせることは、自宅でやるのは推奨できません。負荷試験をやった上で、食べられる量を設定してあげて、食べ続けるようにすることが安全のポイントだろうと考えています。

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