小児科 すこやかアレルギークリニック

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best of the best 2
2019/06/05
先日、生後2ヶ月の赤ちゃんが当院を受診されました。

湿疹があったのですが、最初にかかった目的は何と予防接種でした。

ワクチンデビューは、生後2ヶ月頃ですが、2ヶ月はアトピー性皮膚炎が見られやすい時期なので、顔に乾燥性の湿疹がないかどうか注意しています。

皮膚を触ってガサガサしていれば、アトピー性皮膚炎を疑っています。あとは、家族歴とかゆみの有無をチェックしています。

日本の第一人者は血清TARCというアトピー性皮膚炎の湿疹を数値化した項目は、診断には使えないと言います。生後1、2ヶ月でもかなり高い人はいて、どうみてもアトピー性皮膚炎という赤ちゃんは大勢います。

TARCは、もともとアトピー性皮膚炎の指標で、数値が大きければ大きい程、アトピーが重症だと捉えられています。当院のデータでは、こんな赤ちゃんでも3/4はTARCが高いのです。要は低くてもアトピー性皮膚炎ではないと言い切れないけれど、高ければ高い程、アトピーの可能性が高まります。

現時点で、アトピー性皮膚炎の早期診断には、触診、問診、かゆみの有無が重要とされますが、TARCが高ければ、もう自信を持ってアトピー性皮膚炎と診断していいのだろうと考えています。

今回の赤ちゃん。採血させていただいたところ、TARCは3000を超えていました。親御さんもアトピーを持っており、アトピー性皮膚炎と診断しました。

こういう患者さんは、まだ食物アレルギーを起こしていないことがほとんどなので、皮膚をガッツリと治療すれば、食物アレルギーを予防できるようです。というか、減らせるというデータを持っています。

しかも、アトピー性皮膚炎を早期発見・早期治療すれば、ステロイドをやめて保湿剤だけにすることはそんなに難しいことだとは思っていません。アトピーが本当に治ってしまうのかどうかまでは分かりませんが、早く手を打つことで、食物アレルギーは確実に減らせて、アトピー性皮膚炎も治す方向に持っていけるのだと確信しています。

いまだに多くの医師が“乳児湿疹”などと言い、舐めきった治療をしており、これではアトピー性皮膚炎は良くなるものも良くなりません。日本の第一人者もこの辺のことはどうすればいいか見解を出しておらず、各医師が気ままに対応しているといったところでしょう。

たまたま当院を予防接種で受診された訳ですが、既にアトピーと診断し、食物アレルギー予防、アトピー性皮膚炎根治に向けて走り出しています。

治療が遅れれば遅れる程、難治化するのがアレルギーです。今回のような対応も、有名専門病院でもなかなか受けられないようなbest of the bestの対処なんだろうと考えています。

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