小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

設問
2019/06/12
ある医療系の雑誌に、ちょっとした食物アレルギーの設問がありました。

湿疹のある乳児に対し、アレルギー採血を行なったら、卵白6、ミルク6、その他大豆や魚などがクラス2とか3だったように思います。こういうケースの対応を問う問題でした。よく見ると、出題者は新潟の医師のようです。

「完全除去を続ける」とか「家で少しずつ食べさせる」とか4、5個の選択肢から選択させていました。

あっさり書いてしまいますが、解答は「負荷試験を受けさせる」でした。大豆や魚は数値が低いからでしょう、負荷試験を行い、解除できたと書いてありました。

問題は、卵と乳です。いずれ卵も乳も負荷試験を行う予定だと書いてありましたが、解答の解説では、除去の継続でした。

厳しいことを言うようですが、多くの医師の目にとまるかもしれない雑誌に「クラス6だと除去でいいんだ」と誤解を与える文章は載せていただきたくないですね。

一般的に、お子さんが口にする可能性の高いものが卵と乳ですよね?。一番頻度の高いものを完全除去するのは、違うと思っています。逆に真っ先に食べさせようとするべきでしょう。

これは学会にも問題があると思います。クラスが高いと、除去を続けて、数値が下がるのを待つことが推奨されているように思います。

常日頃、書いているように、食物アレルギーは少量を、より早期から食べさせることが重要だと実感しています。もしかしたら学会幹部から「エビデンス(証拠)はあるんですか?」と聞かれるかもしれません。

私の場合は、目の前の患者さんを何とか少しでも食べさせたいと考えて、日々診療しています。クラス5だろうが、6だろうが、少しでも食べさせる努力をし、その都度、親御さんの笑顔に接してきました。少しでも食べられると、喜んでくれない親御さんはいないのです。

そういうスタイルで診療してきて、食べさせた方が治るという思いを強くしています。もしかしたら、「それはあなたの印象であって、エビデンスではない」と一刀両断されるかもしれません。

研究の方法にはあまり関心がなく、詳しくもありませんが、最近では食べさせないグループと、食べさせるグループを設定し、比較しないといけないようです。

そうやってしか、エビデンスが作れないのであれば、私は今のままのやり方を選択します。だって、少しでも食べさせた方がいいのを、研究のために「食べるな」とは言えないからです。しかも、そういった研究は専門施設の仕事だと考えています。

エビデンスの構築を待っていますが、思ったより動きは鈍いのかなと感じています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>