小児科 すこやかアレルギークリニック

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母の勇気
2019/06/24
先日、関東の方から食物アレルギーについて相談のメールがあったことをお話ししました。

アトピー性皮膚炎があり、経皮感作を受けており、卵、乳、小麦に感作を受けていました。そもそも気付いたのが、卵を食べさせて、症状が出たので、私の言い方からすれば、“手遅れ”の状態でした。

月齢は、7ヶ月。“手遅れ”なんて書きましたが、全然リカバリーできる状況です。多くの小児科医、皮膚科医が“乳児湿疹”などと誤診しているアトピー性皮膚炎ですが、発症初期に来てくだされば、経皮感作さえ予防できることもあるので、こういう言い方をしています(汗)。

学会に参加しても、0歳から食べさせるとどうだとかいう発表はあまり聞きません。結局、専門病院へは幼児以降の重症化した食物アレルギーが集まるため、あまり受診がないのだろうと思います。受診が多いと思われる開業医は、恐ろしがって負荷試験なんてしないでしょうし...。

私は、宣言します。食物アレルギーは早く食べ始めた方が、治りはいいだろうと。0歳の負荷試験にチカラを入れ始めたは3、4年前なので、それなりのノウハウを持っているつもりです。

そんな中、冒頭の患者さんからメール相談を受けました。親御さんも一生懸命調べており、実は卵アレルギーの症状を起こす前から、卵を摂らせる努力をされていました。そうやって与えるいる中で、症状を起こしてしまったので、ショックだったろうと想像します。

それでネットで検索して、当院にたどり着かれたようです。こちらとしても、望むところです。

実は、今月18日に相談のメールがあり、受診され負荷試験を受けたのが21日です。母の勇気と行動力に感謝です。卵、乳、小麦が陽性でしたが、どれも具体的な量を設定できました。あとは家で食べ続ければ、もっと食べられることになっていくことでしょう。

不安点があるとすれば、大豆も検査は陽性でした。ただ、豆腐は食べているので、除去は不要と説明しています。逆に、卵、乳、小麦、大豆しか検査していなかったので、他にも「敵」がいるかもしれず、アレルギー採血も追加させていただきました。

何となく除去を続ている方、医師から除去を支持されている方は少なくないと思いますが、いくらかかりつけ医から治ると言われていても、「治る」という根拠はないと思います。0歳こそ、食べさせていくべきです。

当院は、負荷すべきと考えれば、すぐにやってしまっています。負荷試験何ヶ月待ちなんて馬鹿なことにはなっていません。

もっと他に「勇気」を持つつべき親御さんは、全国に大勢いるはずだと思っています。少しの勇気と行動力を持ってくだされば、食物アレルギーが治る方向へ一気に進んでいくであろうと考えています。

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