小児科 すこやかアレルギークリニック

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2019/06/26
食物アレルギーのイメージってどんなでしょう?。

私も今日の午後は食物アレルギーの講演があります。全国各地でエピペンに関する講習会が開かれているものと思われます。

食物アレルギーは重篤な症状を起こすことがあるし、いざという時はエピペンを使いましょう、そんなことが語られているのだろうと思います。それは間違いではありません。

「食物アレルギーは怖い、だからアレルゲンは食べてはいけない」という考えが、日本全国に蔓延しているようです。

実際、食物アレルギーのガイドラインには、離乳食開始の遅延が食物アレルギーのリスクになると書かれています。要は、親御さんが食物アレルギーを恐れて、卵などを食べさせるのが遅れており、それが食物アレルギーを悪化させているようです。

多くの人が食物アレルギーに対して、怖い、絶対に避けるべきのようなマイナスにのイメージしかないのではないでしょうか?。

これが大きな問題なのだろうと考えています。最近、よく書いていますが、食物アレルギーはより早期に食べていけば、かなり治ります。

いまだに専門医も含めて「除去、除去」と言っています。だったら、除去すれば治るというエビデンスを示すべきです。実際、とても重症な患者さんは、必死になって、ほぼ完璧に除去しているのに、治らないことがほとんどじゃないでしょうか?。

最近、早期に食べさせるのが克服への近道だと思っていますが、そういう方針で診療していると、「除去」が食物アレルギーを悪化させているような気がしてなりません。

実際、0歳や1歳児に負荷試験をして食べさせていくと、どんどん食べられるようになることがほとんどです。注意深くやれば、負荷試験でアナフィラキシーを起こすことはまずありません。

年長児が、半泣き状態で負荷試験を受けに行くなんてケースもあるのかもしれませんが、当院では親御さんの方から「そろそろ負荷試験を受けたいんですが」なんて言われる始末(笑)。早期に食べさせることは、恐怖心を植え付けることもなく、いいことだらけだと思っています。

食物アレルギーは、確かに重症者にとっては、とても怖い病気ですし、そういう子が通う園や学校では細心の注意を持って対応していただきたいです。でも、多くのケースでは、そんなに忌み嫌うようなものではないと思います。

日本全国の食物アレルギーの悪いイメージを、払拭できるお手伝いができたらいいなと思っています。

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